メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『1日3時間しか働かない国』

2010-08-06 13:11:25 | 
『誰もが幸せになる 1日3時間しか働かない国』
シルヴァーノ・アゴスティ/著  野村雅夫/訳 マガジンハウス

シルヴァーノ・アゴスティ

きっと今も「早く週末来ないかなあ~」とか、「道に大金落ちてないかなあ~!」なんて思っている人がいるのでは?(わたしだけ?
仕事を辞めたこの数ヶ月間、ずっと考えてた「労働」「自由」「生活」「幸福」の関係についての疑問が本書でスッキリ解けた気がした!
『夢をかなえるゾウ』では、「本当に好きなことを仕事にすればいい」とあったが、
本書ではさらに大胆に「労働時間を1日3時間にした国」を提案している。

政治家をボランティアでやらせるってわたしもずっと思い描いていた一番手っ取り早く世の中を改善する1つの方法だと思う。
実のところ、本書の内容と似たことをわたしも周りの2~3の人々に話したとき、「理想と現実は違う」とか「働かないのは怠惰だ」と笑われた。
まるで新興宗教のパンフレットみたいな胡散臭い話と思うか、じゃなきゃ社会の落伍者か、
それとも欝だと心配される可能性もなきにしもあらず
そうゆうわたしも理想郷を夢見ながらも「実際変えるのは難しい」と、行動に移す努力をせずに諦めてしまうのが悲しい。
何かを考え、行動を起こすより、日々ままならないことを愚痴り、何もしないほうがはるかに楽だから。
大金を払って政治屋に任せて責任を押し付け、失敗するたびに笑って済ませるほうがよっぽど楽だ。
民衆が深く考え、革命を起こしたりさせないように、いつでも疲れ、無感覚になるシステムに自ら甘んじているということ。


働かずとも生産性が上がる仕組みって具体的にどんなものなのだろう???
確かに、今政治屋に使われている莫大な税金を公共に使うだけでも相当違うだろうけど。
そもそも本当にそんな国があったらひっそりと存在はできないだろうし。
パパラッチがスクープして、各国の偉い批評家たちが根本から否定するかもしれないし、
ユートピアを夢見る人々がキルギシアに押し寄せ、絶妙なバランスで保たれていた幸福もあっという間に荒らされてしまいそうだ(こないだ読んだドストエフスキーの『おかしな人間の夢』みたいに
それでも、あとがきにある通り、「こうありたい」と一人一人が認識し、想像すれば、いつかキルギシアをそれぞれの国で創造できるのではないか。

まさにジョンとヨーコが♪イマジンで歌った世界。
人々は「実際に成り立たない」と頑なに疑いながらも、本当はそんな理想郷を切望しているからこそ、
この歌をずっと歌い続けているのではないだろうか。


母はイタリアが好きで「日本人みたくせかせかしてない」ことを殊更いつも賛美しているが、
イタリアと日本が政治的に似ているって件は意外。

読後に早速、労働条件を変えて探してみても、求人情報にはいつ見ても似たり寄ったりな9時~18時(残業20時間/日)といったものばかり。
でも、わたしの世代で何もかも変わらなくても、想像し続ければ、いつかは理想に近づいていくかもしれない。
事実、世の中の働き方は多様化して、世の中は常に変わりつつあるのだから。

ぜひ、たくさんの人に読んで欲しいなあ!で、どう思ったか感想を聞いてみたい。
「こんなことムリだよ」って人のほうが多いだろうか?
「本当にこんな国があればいいなあ」と夢想に終わるだけだろうか?
それとも「いや、自分にこれなら出来るかもしれない」と勇気を持って価値観を覆す人もいるだろうか?
一人一人の考えが、いつか本当に1日3時間労働で心豊かに暮らせる生活を可能にするかもしれない。

著者は映画監督もやっていて、その作品は常に高い評価を受けているとのこと。
タイトルをざっと見た限りではまだ観たことない気がするから、ぜひ映画も観てみたい。


▼本書抜粋メモ

p.12
「僕らの社会の休暇の概念が、仕事についての考え方と同じように、ひどいものだってことがわかってくる。休暇の時期になると、何百万もの人々が楽しむことを強制される。そして残りの時期は息つく間もなく働いたり、うまく仕事にありつけないかと夢見たり、毎日の義務的な労働からくる心身のトラブルを解決することに費やしてしまうんだ。1日8時間労働のメカニズムは、社会的な緊張や神経症や欝や体の不調を生み出している。何より、誰もがはっきり感じているんだよ、大事な自分の時間をみすみすどぶに捨ててるってことをね」

p.16
「労働から解放された人間にこそ本来の生産力があるはずだ」

p.19
「世界中の子どもたちの99%が望んでることって何だろう?遊ぶことだよ」
強制される勉強ではなく、遊びながら「学ぶ」ことが重要。

p.29
順応主義や右へ倣えの精神から心を解き放つことができればいいなと願っているんです。新しい技術の登場は労働時間を飛躍的に短縮することで、私たちを仕事の抑圧から解放してくれるはずでした。残念ながら、僕たちにあてがわれたのは、やっと生きていくだけのせせこましい時間であって、人生をじっくりと味わえるようなものではなかったんです」

p.33
「新しいテクノロジーが生産効率を飛躍的にアップさせたのに、労働時間は元のまま変わっていないってことに、僕たちの社会ではほとんどの人が気づいていない」

p.48
「誰かと愛し合いたいなと思ったら、それを知らせるために、胸に小さな青い花をつけておくんです」
「社会の歪みは、愛情をつかさどる3つの構成要素がそれぞれバラバラになってしまうことに原因がある。
その3つとは、優しさと性欲と愛。性欲や愛のない優しさは偽善を生む。優しさや愛のない性欲はポルノを生む。性欲や優しさのない愛は神秘主義を生む」

p.50
「広告を止めれば、モノの値段は全部半額になるのではないか」

p.54
「そんなの不可能だとか夢物語だとか、いつも人々は決め付けて、その情熱にブレーキをかけていたわけさ」

p.108
「まずは、経済的にも心理的にも感情的にも自立した人間にならなければならない。こうした見地に立てば、2人の人間が生活を共にしようということになったとき、依存しあうことなく、互いに自由を与えあうことができるんです」

p.112
現実の学校は退屈な義務でしかなく、政治家は特権をむさぼり、老人は「自宅に閉じ込められたお年寄りたちは、自分たちを受け入れようとはしない世界を窓からひっそりとうかがっていることだろう。彼らは社会からは疎外され、家族からは面倒がられ、雀の涙ほどの年金を食いつぶさないように気を遣いながら生きていく」

p.120
「早く週末が来ないものかと願いながら僕は生きてる。少しは自由な時間が持てるからね。とはいっても、実際に空き時間ができると、往々にして何をしていいかわからなくなってしまうんだ」

p.126
「僕のハンディキャップは、誰も自由ではない社会の中でひとり自由でいることだ」

p.132
「これは、読み終えるのに時間はさほどかからないが、読み終えた後には長い時間考えさせられる小説なのである」


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『THE 11TH HOUR』(2007)

2010-08-06 12:54:46 | 映画
『THE 11TH HOUR』(2007)アメリカ
監督:ナディア・コナーズ、ライラ・コナーズ・ピーターソン
製作・脚本:レオナルド・ディカプリオ
出演:レオナルド・ディカプリオ、スティーヴン・ホーキング、ミハイル・ゴルバチョフ、ワンガリ・マータイ ほか

「もし我々が人類滅亡の道を選んだら?それでも地球は残る。そしていつかは再生し、すべての湖は元に戻る。
 川も、水も、山も、緑を取り戻し平和に戻る。人間はいないだろうが地球は再生する。なぜか?
 地球は永遠だが、人間は違うからだ。それが今の我々の状況だ。」

タイトルは、地球の歴史を1年とすると、人類誕生からの歴史は12月31日11時58分34秒であることから。
ディカプがそんな有名な環境保護活動家だとは知らなかったな。彼が製作・出演のドキュメンタリー映画。

ものすごい勢いで流れ出る工場廃水や、巨大な煙突から出る大量の排気ガス、
海一面にベッタリと張ったオイル、これらが今実際起こっていることかと愕然とする。
工場を責めることもできるが、「今すぐこの商品が欲しい」と思ったらすぐ買えるという
大量生産×大量消費のシステムに加担しているという点で私たちも同罪なんだ。

海から魚をデカイ網で根こそぎ獲って、商品にならないものはゴミとして大量に海に廃棄しているなど、
自然には権利を訴える力がないから、人間は好き放題土を掘り返し、海を荒らし、木を切り倒してきた。
その結果、大洪水、大地震、干ばつによる砂漠化、廃水による汚染、
人口の爆発的増加も含め、環境破壊はまさにギリギリの崖っぷちの状況にある。
シロクマさんより先に滅びるのはニンゲンのほうかもしれないな。


これは、以前読んだ『世界を変えるお金の使い方』や、昨日読んだ『1日3時間しか働かない国』にもリンクする。
それじゃ原始人の生活に戻ろうって話ではなくて、進んだ科学力を、今度は消費ではなく、自然をリユースすることに使おうということ。
つまり「大量生産×大量再生」

例えば、アワビの殻はセラミックの2倍の強度があるらしい。
ヒトが同じ物質を造ろうとすれば、大量の化学物質やエネルギーを使わなきゃならないが、
自然はそれを騒音もなく、常温で、水を使って創る。
自然に存在する無数の驚異の科学を研究し、真似してつくることがこれからは求められている。
「生物はヒトと違って強引にモノを作らない」(ベニュス・ジャニン『自然と生体に学ぶバイオミミクリー』著者)

色を創る話も興味深い。
やクジャクは元々は茶色だが、羽の表面構造が特殊なため、太陽光が当ると本来持っていないカラフルな色が視覚化される。
それを再現できたら、塗料は不要だから鉛やクロムも必要ないとのこと。

「問題はいかにニンゲンが生き方を変えるかだ。この点で私はD.チョプラの言葉に勇気づけられた。
 つまり、ニンゲンの意識を変えるという闘いに勝つには、気づきのレベルを常に上げること。
 そうすれば意識は高まってゆく」

「よりスローに、より賢く。スローとは大量消費に基づく生き方は止めようということ。
 消費への否定じゃない。だが、市場や商品に振り回されるのは止める。
 アイデンティティの基本は大型車や、大きな家じゃない。もっと地元の産物を楽しみ、時間に余裕をもつ。
 物質は時間泥棒だ。モノを買うために働くのだから。生活がモノを買うサイクルに縛られる

「倹約とは貧しさではない。資源を賢く使うことだ。
 産業革命は「自然」を「資源」に変えた。だが、資源は無尽蔵じゃない



ほかにも、特典映像には、アヤワスカ(幻覚剤)でヒトが自然の一部だと悟った兄さんやら、
キノコのフシギなパワーを熱く語るおじさんとか、たくさんの活動家が語っている。

「マヤ暦 2012年人類滅亡説」なんてあるんだ、初めて知った/驚
1999年の「ノストラダムスの大予言」の時はものすごい騒いでた気がするけど、こっちはあまり聞かないね。
『アルマゲドン』とか何本も似たような映画もヒットして見慣れちゃってるのかも

アセンション=人間もしくは世界そのものが現在の三次元からより高次元の存在へと進化することとされる。

ジョン・タイター(John Titor) =2000年にインターネット上に現れた、2036年からやってきたタイムトラベラーを自称する男性である。自分を1998年生まれだとした。
2045年頃、タイムマシンが一般利用って話がほんとなら、わたしも利用できる歳かもなあ・・・どこ行こう?
面白いヒトがいっぱいいるなあ!てかタイムマシンで飛べるなら、核戦争は止められるんじゃないのかな?違うの???

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