小松原湿原に続く道筋でいくつかの野生ランに出会いました。起点になる小湿地にはカキランが咲いていました。カキランもすっかり見なくなったランの一種で数十年前には山間の湿地にごく普通に見た気がします。一番重要なのはそういう湿地が無くなっていることで人里近い場所は開発されるか放置されヨシなどが大繁茂しカキランなどがすめる環境でななくなっていることでしょう。人の適度な環境への働きかけがあってうまく機能している生態系もあると思っています。
個の湿地は傾斜地で水が染みだしている場所です。ミズゴケなどが繁茂しモウセンゴケなども見られます。
もう40年も前になるでしょうか、当時調べていた魚沼市の下権現堂山の麓にある戸隠神社の境内に流れ込む小沢沿いにカキランが沢山ありました。花の季節にはやや暗い林下で黄色味の強い花が沢山咲いていて、権現堂の尾根道に入る前のちょっとした励ましを貰ったものです。いまでもあのカキランは健在なのでしょうか?
もう40年も前になるでしょうか、当時調べていた魚沼市の下権現堂山の麓にある戸隠神社の境内に流れ込む小沢沿いにカキランが沢山ありました。花の季節にはやや暗い林下で黄色味の強い花が沢山咲いていて、権現堂の尾根道に入る前のちょっとした励ましを貰ったものです。いまでもあのカキランは健在なのでしょうか?
木道の縁にトキソウが列をなして咲いていました。湿原内のラン科植物はトキソウが最も個体数が多く花期にはまとまっている場所も各所にあってほんのりと薄ピンク色に染まります。小松原湿原では多くありますが、可愛らしいので盗掘されることが多く里に近い湿地の個体は急速に減っているとのこと。それよりも、湿地そのものが無くなっていますからトキソウなどが育つ分けがありません。園芸店などで野生のランなどが売られていることをときどき見ますが、栽培して増やしたものというより自生地から盗掘してきて売られているということが多いのだそうです。特に外国産の種はほぼこれに当たるそうで、現地の荒廃が懸念されます。
ラン科植物は地味なものもありますが、そのままで観賞価値が高いと考えられていますからついつい持ち帰りたい気持ちになるのでしょうね。トキソウの花も小さいながら魅力があります。
野生の花は現地で見るものという文化を根付かせたいものです。現地に足を運べない方は公共の植物園などで見るということがルールになってほしいと思います。
野生の花は現地で見るものという文化を根付かせたいものです。現地に足を運べない方は公共の植物園などで見るということがルールになってほしいと思います。
湿原には比較的普通に自生している種ですが、地味な存在ですから見過ごされることが多いと思います。それに、このトンボソウの仲間は小さく似たものが多く区別するのが簡単ではないものですから、私を含め苦手意識を持たれる方もおおいのではないでしょうか。しかし、何度も観察し理解を深めないといつまでたっても克服することができません。小松原湿原では注意して観察すればどの湿原でも見つけられます。
4年連続の小松原湿原。特に昨年今年とラン科植物に多く出会いました。湿原に一般的なものからブナ林下で極めて珍しいものまであります。小さな個体が多いので前年見過ごしたものが今年はうまく捕らえられたというような感じです。何度か通ううちに見えないものが見えてくるということなのでしょうか。
アサヒランは貴重な種ですが高山の湿原には比較的普通に見られるものです。小松原湿原でも7月の上旬に行けばほぼ間違いなく見られます。しかし、個体数は決して多いというものでもありませんが色鮮やかな花はよく目につきます。それでも中に屋敷湿原に入ると個体数もぐっと多くなります。赤紫色の花は見る人をひきつけ本当に幸せな気持ちになります。
アサヒランは貴重な種ですが高山の湿原には比較的普通に見られるものです。小松原湿原でも7月の上旬に行けばほぼ間違いなく見られます。しかし、個体数は決して多いというものでもありませんが色鮮やかな花はよく目につきます。それでも中に屋敷湿原に入ると個体数もぐっと多くなります。赤紫色の花は見る人をひきつけ本当に幸せな気持ちになります。
小松原湿原の入口下屋敷湿原に向かう木道脇にヒメザゼンソウがありました。ときどき見ていた気もしますがザゼンソウの小さい個体と勘違いしていた場面もあったようです。新潟では特別珍しいものではないと思うのですが、しっかりと認識したのは実に久しぶりのこと。そもそもザゼンソウは花はよく見てはいるもの成長した個体(葉)をあまり見ていません。ついつい小さな葉が出てくるとザゼンソウの子供と思う当たり不勉強ですね。ある人がオオウバユリの葉と間違えていたことがありますがその気持ちもよくわかります。反省の上に立って思い返すとザゼンソウの葉はやや大きく丸みを帯びますが、ヒメザゼンソウの葉は小さく細長い感じがします。
葉が出ている地際にザゼンソウの果実がありました。これを見てヒメザゼンソウであることが理解できる始末で、いままでいくつかの場面でこの種を見てきたことに気づかされます。ザゼンソウが早春に葉の出る前に花を咲かせるのとは対照的に、ヒメザゼンソウは葉が出てから初夏に花を咲かせます。したがって、6月の下旬から7月に葉があり果実があるのはヒメザゼンソウと考えるべきでした。ところで、まだ花(苞)があってもよさそうな時期ですがあいにく近くに合った個体のどれにも花(苞)はみられませんでした。ヒメザゼンソウの花を間近で見た記憶がただ一回しかないのです。見たいですね。