食虫植物として有名なモウセンゴケが咲いていました。葉は地に伏して広がっていますから、それとは対照的に長い柄を伸ばして咲く花。このアンバランスが面白いところです。葉が地に伏すのも花が長い柄の先に咲くのもそれぞれの理由があるのでしょう。つぼみは数個あって白い花が一斉には咲かず順に咲いて結実を確かなものにしているようです。
モウセンゴケの葉はたくさんの毛がありその先端に粘液を分泌しこれで小さな虫を捕えることはよく知られていますが、今回気づいたことはこの葉の表面に付く毛についてです。ちょうど握った指を伸ばすように葉の表面に生じた毛が伸び起き上がってくるということです。その過程で先端に粘液が分泌されてくるようです。この絵では左側から起き上がってきています。右側はまだ葉の表面に凹凸として見られるものがやがて伸び開いてくるようです。
ミドリユキザサに似てやや大型のユキザサにヤマトユキザサがあります。茎が紫色を帯びている点でミドリユキザサと区別できますが、葉の形態も細身で先が尖った印象を持ちます。この種も花は淡緑色で雌雄異株です。ミドリユキザサとかなり混在して生育しています。
形態的には異なるミドリユキザサとヤマトユキザサが近接して生育していました。果たしてこの二種は異なるのだろうか?雑種を作ることは?・・・図説など文献によれば両種は明確に区別されるべき種のようですが、果たしてそうなのだろうか?と疑問を持った一場面です。オオバユキザサとかヒロハユキザサという言い方もあって何が何だか分からなくなる種です。保育社の図鑑ではヤマトユキザサの別名がオオバユキザサとなっています。これ以外にヒロハユキザサが区別されていて、ミドリユキザサは一地方種扱いです。この仲間をもっと丁寧に調べるとまた違った知見が得られるかもしれませんね。
小松原湿原のエリアにはユキザサの仲間が3種類見られます。ユキザサの仲間は専門家でも分類に苦慮しているようですが、見た目の形質で個人的に区別できるものが3種類あります。
これはやや大型種のミドリユキザサで葉茎が緑色で葉が幾分丸みを帯びているもの。雌雄異株で雄株と雌株があるとされますが両性花もあるとのこと。湿地を結ぶ山道に点々と見られます。
これはやや大型種のミドリユキザサで葉茎が緑色で葉が幾分丸みを帯びているもの。雌雄異株で雄株と雌株があるとされますが両性花もあるとのこと。湿地を結ぶ山道に点々と見られます。
ワタスゲは知らない人がいないくらい有名ですが、実際の植物体や花の構造についてほとんど理解されていないように思います。私自身も手に取って丁寧に調べたことはほとんどなく、なんとなくの理解に留まっているにすぎませんが一通りの復習を試みました。
そもそもワタスゲの「花」といわれているものは実際は花ではなく結実後の綿毛(冠毛)が発達している状態です。むしろ「穂」といったほうが正確かもしれません。大きな群落を作る習性がありあたり一面ワタスゲの「穂」が「花」が咲き誇っているように見えることから違和感なく「ワタスゲが咲く」とという表現で受け入れられています。
そもそもワタスゲの「花」といわれているものは実際は花ではなく結実後の綿毛(冠毛)が発達している状態です。むしろ「穂」といったほうが正確かもしれません。大きな群落を作る習性がありあたり一面ワタスゲの「穂」が「花」が咲き誇っているように見えることから違和感なく「ワタスゲが咲く」とという表現で受け入れられています。
本当の花は雪解け間もなく伸び始めた早い段階で咲いていますから、この季節にはもう残っていません。大きな一つの花穂に雄花と雌花があり雄花には葯があり早い段階では黄色く見えます。とはいっても実際に花を分解して確認していませんからしべの様子はわかりません。この絵の状態は苞葉に包まれた花が結実し綿毛が伸び始めてきた段階と考えています。葯がありまだ花粉の黄色い色が残るころにもすでに綿毛がありますから葯が落ちた直後の様子とも見受けられます。
本当の花は雪解け間もなく伸び始めた早い段階で咲いていますから、この季節にはもう残っていません。大きな一つの花穂に雄花と雌花があり雄花には葯があり早い段階では黄色く見えます。とはいっても実際に花を分解して確認していませんからしべの様子はわかりません。この絵の状態は苞葉に包まれた花が結実し綿毛が伸び始めてきた段階と考えています。葯がありまだ花粉の黄色い色が残るころにもすでに綿毛がありますから葯が落ちた直後の様子とも見受けられます。
綿毛が伸び切っていない若い状態の「穂」です。ところでワタスゲの葉はないというのをご存知でしょうか?花茎とところどころに付く鞘があるだけで葉の本体はどこにもないのです。そういう点でも変わった存在なのです。集団としてのワタスゲの美を愛でることも大切ですが、時には個としてのワタスゲを観ても面白いものです。