森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ノミノフスマ

2020年05月27日 | 自然観察日記
家の雑草でもあるノミノフスマがあちこちに花を見せていました。ハコベなどとともに春の山野を彩る小さな野草です。

ムラサキサギゴケ

2020年05月26日 | 自然観察日記
ムラサキサギゴケの群落がありました。ときどき農道などに見られるのですが少し人の作用がなくなったような場所に群落を作り数年すると他の植物に追われ消えていくような印象を持っている種です。最盛期は匍匐茎(ほふくけい)をだして広がりますから地面一面に花が咲きなかなかの景観になります。

ムラサキサギゴケの花

2020年05月26日 | 自然観察日記
紫色をしているものが多いのですが中には桃色をした株もあります。トキワハゼに似た花ですがずっと大きく倍以上はあります。じっと見ていると蝶が羽を広げているようにも見えます。そういことを狙って擬態し蝶などの虫を呼んでいるのでしょうか。

オククルマムグラ

2020年05月25日 | 自然観察日記
新型コロナウイルスで行動自粛が求められている期間ですから、他人に迷惑が掛からないように気分転換と運動不足解消で人の少ない里山の散歩に出かけました。ぶらぶら歩いているとオククルマムグラに出会いました。もう少しで花が咲くタイミングでしたが白く色づき始めたつぼみが見られる段階です。

オククルマムグラのつぼみ

2020年05月25日 | 自然観察日記
クルマムグラに対して深山に見られるということでオククルマムグラとなっているようですが、実際は浅い里山にも見られます。調べてみると面白いことが分かりました。クルマムグラは太平洋側は平地に普通に見られますが、新潟県内では分布が限られていて弥彦山塊や佐渡には低地にみられそれ以外には極めてまれです。苗場山などの県境の山岳地域にその山ろくで採集記録がありました。一方オククルマムグラは多少の濃淡はありますが県内全体に低山から深山まで生育しているようです。

ヤエムグラ

2020年05月25日 | 自然観察日記
オククルマムグラに似た種で田畑の周辺にごく普通に見られる種です。こちらは葉が細く8枚ほど輪生しています。オククルマムグラは葉が6枚輪生する点で見分けられます。葉も少し広めです。茎には逆棘があるのは同じですが、ヤエムグラの方が多い感じです。

ホクロクトウヒレン

2020年05月24日 | 自然観察日記
地域限定の種がありました。正体が分からずかなり悩んでいた時期がある種でホクロクトウヒレンという能登半島から新潟までの海岸に沿って見られるやや大きめなキク科多年草です。一見シラネアザミに似た葉を持ちますが質感も異なり何だろうと解決しない時期がしばらくありました。(弥彦山塊と佐渡のホクロクトウヒレンは個体が小さいタイプで専門家の間では注目されているのだそうです)。

ホクロクトウヒレンの葉

2020年05月24日 | 自然観察日記
歩いた距離は短いのですが数個体に出会いました。御野立公園の海岸の崖にできた散策道にはちょっとした産地になっています。かなり貴重な種と思いますが、注目されることもないので盗掘などで個体が消滅するようなことはないのかもしれません。このまま変化しないで生育が維持できることを祈っています。

カジイチゴ

2020年05月23日 | 自然観察日記
以前は権威ある平凡社の「日本の野生植物」で関東以西の太平洋側の海岸近くに生育する種と明記されていたために新潟で似た種があることにとても悩んでいました。どう調べてもカジイチゴなのですが、改定新版の「日本の野生植物」では「太平洋側」という記載は削除されていてホッとしています。しかし、ネット上では依然として誤った記載が横行していて事実とは異なっています。この誤りを訂正するにはどうやればよいのでしょうか。