全体に大型のキイチゴで草丈は2mも超えることがあります。葉は15cmほどで5から7ほど深裂します。光沢があります。キイチゴの仲間は棘を持つものが多いのですが、カジイチゴは全体に棘がないのが大きな特徴です。
サルトリイバラが丁度花の季節で雄株雌株がともにありましたので過去にも登場していますが再登場です。里山の比較的日当たりの良い場所に見られる鋭い棘のあるつる植物です。今ではサルトリイバラ科という独立した科で分類整理されます。
経験的にサルトリイバラの雌花の個体は5:1くらいの少なさです。もっと少ないかもしれませんが比較的個体群密度が高い場所は雄株雌株を同時に観察することができます。御野立公園周辺は丁度観察には良い場所のようでした。
御野立公園は鯨波の崖の上にあります。海岸に降りる散策路がありところどころ草地や場所によっては道路を横切る場所もあります。タンポポの仲間は至る所に見られます。多くはセイヨウタンポポでしたが、崖の下部の草地にエゾタンポポが見られました。
タンポポの見極めは総苞片の様子で区別するのがもっともポピュラーです。反り返っていればセイヨウタンポポ、反り返っていなければ在来のタンポポです。さらに、総苞片の様子でエゾタンポポとかカントウタンポポ、ヒロハタンポポなどに区別しています。この個体は総苞片が反り返らず総苞片に突起が認められませんからエゾタンポポとしました。
カヤツリグサ科のスゲ属の一つです。スゲ属は非常に種類が似たものばかりで特徴的なものでないとなかなか取り上げにくいのですが、海岸の崖に生育していましたので取り上げました。ショウジョウスゲという種で株は蜜に叢生します。最盛期には新葉が伸びてかなり長めの細い葉がこんもりとした状態になります。
スイカズラは里地の周辺に普通に見られるつる植物です。成熟した個体の葉は縁が波打たない楕円形の葉です。しかし、若い個体は葉の縁が波打っている形質をしています。案外知らない人も多いので載せてみました。ショウジョウスゲの見られた崖の近くの藪に生育していました。
柏崎の磯の付近の植物の観て歩きで意外な植物と感じたものがいくつかあります。湿り気のある崖の下などは直接強い風が当たらなければそういう植物が見られます。ツリガネニンジンが波打ち際から100mもないような場所に芽を出していました。経験的にはやや内陸の土壌が発達した日当たりの良い場所に生育する種なのですが、こんな海際に見られることが驚きでした。海には近いとはいえ大荒れの時は海水のしぶきなどが当たるような場所ではないのでしょう。
この株は崖の下部にへばりついていたものです。そういえば、以前佐渡の外海府でツリガネニンジンの花が咲いている場面に出会ったことを思い出しました。ツリガネニンジンは厳しい環境に適応できる能力を持っている種だということを再確認できました。葉は4~5枚ほど輪生します。この種の高山型がハクサンシャジンになります。