はじめての文学 村上春樹 村上 春樹 文藝春秋 2006-12-06 売り上げランキング : 45085 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「はじめての文学」題された年少者向けのハードカバーを見つけた。宮本輝、山田詠美、林真理子、浅田次郎などなど。僕は子供に読ませようと、村上春樹を買った。その前に自分が読んでみる。
「カンガルー日和」の短編を中心にセレクトされている。軽くて楽しい作品もあるし、 「踊る小人」や「鏡」「緑色の獣」など、ちょっと怖いものも選ばれている。グロテスクな描写も随所に出てくる。子供が読むと驚くだろうな。ナンセンスな味わいのショートショートは、子供たちはどう感じるのだろう。
でも「沈黙」に代表される、本質に鋭く切り込んだ作品もある。いじめの本質に迫ったこの作品は、学校の集団読書の教材にもなっているそうで、教材用に小冊子版も出ている。これは、今の子供達にこそ読ませるべき作品だ。本当に怖いのは何なのか。この作品で主人公がギリギリの精神状態を耐えていく描写は、最新作の「多崎つくる・・・」にも通ずる。通勤中に読んだの失敗だった。泣きそうになった。
若い頃にこうした作品に触れるのはいいことだと思う。来週からの長男の朝読書はこれを持たせます、ゼッタイ。