バタフライガーデンをやり始めて不思議なことが起きる。例えば、棘だらけの「コジキイチゴ」がところどころに繁茂し始めたのだ。何しろ半端ない棘があるのでとても素手でも軍手でもさわれない。それも棘だらけの太い幹が2mくらい伸びていくのだ。何度かボーッとしていて棘の幹が倒れて頭を襲われたこともあった。
5月の連休明けには白い花が咲き、他のイチゴの花と競っていたので、どんなイチゴができるのかが楽しみだった。名前からしてあまり期待できそうもないが、今まで見たこともない迫力ある木苺なのは確かだ。
そのうちに、ドングリのような実ができたのが6月上旬だった。実がいっぱいできて、赤くなったのもあり、期待値が増してきた。愛用している「山渓」の図鑑が和名に「乞食苺」を使っているのが違和感があったが。果実が蒸し器の「甑(コシキ)」に似ているから、「コシキイチゴ」と言われていたのが、「コジキイチゴ」になったという説が有力らしい。
2cmほどの果実がやっと黄色くなってきた。今月中旬ごろには地面に落ちる果実もでてきた。触ろうとしたり、枝が揺れるとすぐ落ちてしまう危うさがある。食べてみるとほんのりした甘さがあるが、ジャムにはどうかなー、というところだ。
別名「フクロイチゴ」と言われるくらい、中身が中空なのが残念。食べがいがない。ガーデンには5~6か所に生育しているが棘が痛いしぐんぐん大きくなるのでので、出た芽は切らしてもらっている。そのせいか、自治体によっては準絶滅危惧種に指定しているところもある。生育場所をどんどん変えるらしいので、今見られることが貴重なのかもしれない。それにしても、鉤状の棘はとてもお付き合いできそうもないくらい強烈なのがつらいところだ。