畑の隣の荒れ地に7年ほど前に移植した「フクロミモクゲンジ」(ムクロジ科)が、高木になり実をつけ始めていた。もともとは数十年前、石川植物園に行ったとき、袋状になった中に黒い種子があるのを木の下で見つけた。これは珍しいと注目していた樹木だった。
さっそく幼樹を購入し都会で育てていたが、大きくなりすぎたので育樹を断念した。そしてそのヒコバエを確保して現在のオラの荒れ地に移植したというわけだ。植物園や寺院でしか見ることはない貴重な樹でもある。7・8m以上にならないと、花も実も鑑賞できない。
(画像は「季節の花300」webから)
黄色の花は今月上旬に撮影したがピントを大きく外してしまったので、ネットの画像を借用。というのも、花は7・8m以上の所にあるのでその花の見事さは確認しづらいのが残念。亡くなった畏友天野貢氏にもそのヒコバエをあげたら、「やっと花が咲いたよ」と返事があったのも5・6年ほど前だった。
花言葉は、「あなたとともに」ということだが、その花を確保すること自体が難しい。せめて、実が地面に落ち、黒い種子を拾うのがやっとだ。この種子を数珠にして念仏を唱えれば極楽浄土に行けると、謡曲「道明寺」は描いている。これが一番やれることのようだ。晩秋は種拾いが楽しみだが、ムクロジより種が小さいのが難点だ。とはいえ、失敗を重ねつつここ数年前から花や実が成ったことが喜びでもある。わが家のシンボルツリーの誕生だ。