先日、久しぶりに友人と街中で会ったがその前にちょいと時間があったので、街中を歩いてみる。やはり手ごろなのは、マンホール探しだ。最初に出会ったのが、ひらがなで「おすい」と明記したマンホールだった。浜松市の市章を真ん中に鉄アレイのようなデザインが縦横に配置され放射状に並んでいるものだった。もちろんそのデザインは、車輪がスリップしないためのものである。
それには、上部に「アクアインテック」kk製の「A」マークがさりげなく刻印されているのがわかった。そのデザインは、「ASD」仕様というもので、「Anti Slipping Design」という滑り止めのデザインがされているというわけだ。また、調べていないが、「26/1-1/ー1」とか、「16T-25」などの記号が施されている。きっと、電柱もそうだがその数字から、配置されている場所などの情報がわかるに違いない。当たり前のマンホールにもいろいろなメッセージがあるから馬鹿にできない。
また、ガスのバルブがある角型の小さなマンホールも発見。シンプルなデザインでつい見過ごしてしまうが、よく見ると、上下左右のデザインには、単純な「+」マークではないインベーダーのようなデザインがあるのが面白い。
陽ざしが強くてうまく撮影できなかったが、「CCB」という正体不明のマンホールがあった。旧浜松市の市章を中心に十字の模様があるが、よく見ると星が縦に並んでいるのが分かった。ということは、ラグビー状の楕円は星雲か銀河系か、はたまたUFOか。するとそのまわりは星屑か、と妄想が拡散する。
なお、「CCB」とは、「電線共同溝」で電気・電話・水道・ガスなどのライフラインを共同でまとめたものだということだった。都が時間をかけて電線の地中化をやっているのもそうだ。最初の「C」は次の三つの意味があるという。「Community」「Communication」「Compact」。また、次の「CB」は、「Cable Box」ということだった。
歩道では、角型の小さな「消火栓」があった。中央には旧浜松市の波模様の黄色い市章があり、縦に丸ゴシック体らしき漢字の「消火栓」の文字が刻まれていた。歩道の煉瓦をそのまま取り込んでいるが、マンホール自体が小さいので大きさを合わせる苦労がにじみ出ている。
都会にはかように過密な人間の生活を集中的にとらえなければならない運命にあるから、すべてに知的・文化的・科学的な知識・技術が凝集されている。その意味での多様な魅力・欲望にも溢れている。したがって、ちょっとした路上観察から都会の断面・断片が垣間見えるのが面白い。が、住むところではない。