ゴミ収集ボックスを移動してから、今度は国道法面に集合し、折れた桜の枝を処理することにする。法面は歩くだけでもよたよたしてしまうほどの急斜面だ。そこで、折れた枝を伐り、チェンソーで半割していく作業をやっていく。途中で、オイラが持って行ったクサビで半割しようとハンマーで挑戦したがなかなかうまくいかない。杉だときれいに割れるが桜の硬さは半端ではなかった。断念してやっぱりチェンソーに頼る。
問題はこれを上にあげる作業だった。土留めにしようとするため手で持てる枝を法面の上に運ぼうとするが、これがなかなか手ごわいのだ。高齢者が多いので転んだり滑落したりの怪我が十分想定される。そこで、滑車が用意された。冗談みたいだがこれが一番確実で安全だった。こんなアイテムをすぐに用意できるのも中山間地の「地域力」であることを実感する。
引き揚げた枝は、土が崩れないよう土留めにしていく。こういう「邪魔な」ものでも活用していくのが素晴らしい。伐った竹もそのまま土留めに横倒しにしてその上にこういう枝を横に置けば風で飛ばされることはない。そのうちに土になって肥料ともなる。
また、近くの河原で伐ってきた「シデ」や「栗」の木の枝で杭を作り、土留めの下に打ち込む。杭の先端には防腐剤を塗ってくれた。これらすべてを当たり前のようにやっていくところが素晴らしい。希望はまたまた大きく育ってきた。一人ボランティアが集落全体の取り組みとなった。病人の世帯を除いてほぼ100%の参加率であるのも都会では考えられない。もちろん最後に、たき火を囲んで河原で一杯飲み干すのも忘れない。