春の息吹が感じ始めた先週、さっそくわが家にやってきたのは「カワゲラ」だった。カワゲラは2億4700万年前の「二畳紀」すでに地球上に出現している。人間よりはるかに先輩なのだ。危うい人類より長生きしていく平和な生物だ。しかし、成虫の寿命は10日前後というから、死と生とを素早く循環させることで種の保存を成し遂げているわけでもある。
そして今週もまた、次のカワゲラが燈火を求めてやってきたのだった。模様や形が微妙に違うが素人としては許容範囲だ。長野県伊那市はトビケラ・ヘビトンボとともにカワゲラなどを佃煮や揚げ物として食べてきたという。最近では高級珍味の伝統食「ザザムシ」として、さらには昆虫食としても注目されている。
また、カワゲラは川の水質指標生物ともなっており、「水質階級1」の「きれいな水」に住む生物となっている。高度成長期には天竜川の水質悪化でカワゲラは激減したが、最近はやっともどってきたということなのだろうか。「尾肢」は2本、やや専門的な図鑑を見ても種類はわからないが、素人には小学館の児童向け図鑑のほうがわかりやすい。