裏の畑のホウノキがいつのまにかでっかくなった。10年前ごろは確かオイラの背の高さくらいだったはずだ。今は7mはあるだろうか。奥多摩ではトチノキをよく見たが春野町では圧倒的にホウノキが多い。やはり、林業や木地師の関係なのだろうか。
ちょうど今は花が咲き始めている。花は大きいが高い所に咲いているので、それを近くで見たり、芳香を嗅ぐわけにはいかない。古代から食物を盛る器として重宝していた。近所からは朴葉で包んだ手製の餡入り餅をいただいたこともあった。
オイラが子どもの頃の版木は朴ノ木やカツラが使われていた。材が柔らかくて均一なのが優れているからだ。また、刃物を錆びさせない効用もあるようで、刀剣の鞘は朴ノ木がもっぱら利用され、狂いも少ない。
ホウノキは殺菌作用もあることが知られているが、その樹冠下にも他の植物を寄せ付けない物質を出しているという。そういえば、まわりに雑草が少ないし、そばに植えた木が枯れてしまったことがある。アイヌ民族はホウノキの実を乾燥させてお茶として煎じて飲んでいたという。これは試してみたいところだ。