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前々からキンシバイとビヨウヤナギの生垣の鮮やかさに感心していた。しかし、遠目から見ると両者は同じように見える。そこで、まずはキンシバイをバタフライガーデンに何本かを招待した。すると、蒸し暑い梅雨のさなかに期待通りたくさんの花を咲かしてくれた。
中国原産とするオトギリソウ科の仲間。オトギリソウは「草本」だが、キンシバイは「木本」の低木植物。開花期間が長くきらびやかだ。キンシバイの花言葉は「きらめき」「悲しみを止める」「魔除け」「秘密」などがあるが、柔らかい連なった葉で、雨を受け止めるように見える様から「悲しみを止める」という花言葉もつけられたのがいい。
花名の「金糸梅」とは、花びらの中に約60個ずつの5つの束になった金色の雄しべがおさまっており、花弁が梅の花と似ていることから名づけられた。葉が常緑であることが多く低木であることから個人の庭や公園にもよく見られ人気がある。
ビヨウヤナギも1本だけ確保したのが同じように花をつけた。こちらの方が葉も花も大きく、雄しべの数も多く、長さも花弁から飛び出すほどだ。花弁の形も隙間があり、かなり両者の形が違うのがわかった。
夏に咲く黄色い花が美しく、葉の形や垂れ下がる様子が中国の「未央宮」(ビョウキュウ)のヤナギに似るとして「ビヨウヤナギ」と名付けられた。未央宮とは唐の玄宗皇帝時代に楊貴妃が住んでいた場所であり、そのヤナギの葉は白居易が「長恨歌」で楊貴妃の眉に喩えている。花が美しく葉の細いことを柳になぞらえて美容柳とも言われているが、『牧野新日本植物図鑑』ではビョウヤナギとある。図鑑の方が正確な命名だが、病柳とも受け取られるので、美容柳の方が史実の背景にもマッチしてその匙加減が悩ましい。