和宮様の術後の現状を鑑み、娘のたくましい援農は大きな貢献をもたらした。和宮様は「帰りをもう少し伸ばせないものかのう」と再三要請はしたものの、本日、娘は後ろ髪をひかれるように帰途についた。娘を送る途中で額縁を買い、娘が描いた曼荼羅をセットして家に飾った。
娘が帰途につく前に新ジャガを収穫しそれを晩餐のささやかな主食とした。昨年収穫したメークイーンを植えて育てたものだった。そのいくつかを持たして餞別とした。大地の恵みは幸せを生み出す源泉だ。それを目の前で実現できるのが農的生活だ、さりげなくと言いたいのだ。
送るときの車の中では、ジョンレノンの「イマジン」のカバー曲、忌野清志郎の歌を流す。「天国は無い ただ空があるだけ 国境も無い ただ地球があるだけ」と。「夢かも知れない でもその夢を見てるのは きみ一人じゃない」の言葉が響く。
その娘が来る前に、ビワがごっそり届いた。あまりに旨かったのでぐんぐんなくなっていった。種をポット鉢に入れて育てることにしたくらいだ。じつはその送り主こそ娘の姉なのだ。どうもその姉の指令で妹がわが家に派遣されたという背景もあるようだった。つまり、二人の共同作戦によって援農が実現したというわけでもある。作戦は見事に的中し、妹はミッションを見事に果たし、和宮様を供奉(グブ)するオイラとしては晴れがましく思った瞬間だった。