魅力的なロゴ「CARIB」車を発見。1982年に販売されたトヨタ車だった。雪原を走る北米トナカイの「カリブー」をイメージして作られたという。つまり、RV車ブームを先取りした高い車高、乗用車では珍しい四駆の走行性能に注目された。宣伝文句は「トヨタから面白4WD誕生」としてデビュー。当時のスキーブームにも活躍。
2002年には生産と販売は終了するが、先達の哀しいかな、アバンギャルドな機能は他車に模倣されていく。それにしても、カリブのロゴのシンプルさが見事で、他車も他社もこうしたロゴを開拓してほしいものだ。
追伸。
テレビ朝日の「報道ステーション」が、とんでもないことになった。番組を支えてきたディレクターたち10人が3月末で契約を打ち切られ、ごそっと抜けるのだとか。
ところで、テレビ朝日の放送番組審議会委員長は誰かご存じだろうか。幻冬舎社長、見城徹氏である。意外、と思う方も多いだろう。
見城氏といえば、ベストセラーの仕掛け人であるが、本人を目の前にして照れもせず、安倍首相をヨイショしまくる“お座敷芸”にも長けている。
官邸とのつながりが深まり、番組のお目付け役である見城氏への忖度が強まるほど、早河会長らテレ朝上層部と、「報道ステーション」現場スタッフとの意識のギャップは広がっていったに違いない。
首相と頻繁に会食し、権力の甘い蜜のお裾分けにあずかったマスコミ経営者は、官邸の手の内に取り込まれてゆく。保身の虜になりがちな編集、制作部門の幹部は経営者の意向を嗅ぎ分ける能力を日々磨いている。そして、ついには政権への批判精神を脈々と受け継いできた番組の中核メンバーが、派遣切りで追放される。
(新恭/元新聞記者、「まぐまぐニュース」から)