今月の上旬、シシウドに集まった20匹近くもいたキアゲハの幼虫はいつのまにか数匹となった。多くの幼虫たちはどこへ行ってしまったのだろうか。しかも、シシウドの葉は一枚もない(10/7 blog参照)。そんな食草の葉がなくなったら死んでしまうのではないかと心配になる。しかしよく見ると、アオムシ君はシシウドの茎の皮をけなげに食べているではないか。なんとも涙ぐましい生存努力だろうか。セリ科の食草しか食べないという一途な生き方だ。
それにしても、自分たちの食草を見分ける能力はどこから来るのだろう。ミカン科を食草とするナミアゲハから種分化したキアゲハは、セリ科を食草とすることで他者と共存し、住み分ける生存戦略を選択した。人間より極めて優れた生き方をしているではないか。21世紀になったというのにいまだ戦火も核も止めることができない人類。今こそキアゲハに学ぶべきだぜ、大統領よ総理よ政治屋よ国民よ。
そうそう、食草を見分ける手がかりは、蝶の前脚の先端に秘密があるらしい。そこに、人間でいう「舌」に相当する毛状突起物で本能的に感知するらしい。それを研究した学者は経済発展には直接貢献しなかったかもしれないが、生きる真実を明らかにしたのではなかったかと思えてならない。