山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

葉室麟『銀漢の賦』の清涼感

2014-11-13 17:08:42 | 読書
 葉室麟の『蜩の記』の映画が封切りされている。
 この作品は確かに完成度が高く、品格とドラマ性が映画にも向いている。
 田舎にいるとつい見過ごしてしまい、いまだ映画館に向かっていない。

 松本清張賞を受賞した作品『銀漢の賦』を読む。
 「銀漢」とは中国で言う天の川のことだ。
 「賦」は歌という意味合いだ。
 中国の漢詩が随所に出てくるが、作者の守備範囲の広さがわかる。

                       
 主人公はやはり無頼の下級武士であるのは一貫している。
 表紙の絵に象徴されるように、百姓一揆で処刑に会う農民、竹馬の友だった藩の家老、そしてアウトローの武士である主人公、3人の出会いと別れの激しい人生ドラマである。

        
 「人も花も同じです。…生まれ持ったものは尊いでしょうが、それを美しくするためにはおのずと切らなければならないものがあります。
 花は鋏を入れますが、人は勉学や武術で鍛錬して自分の心を美しくするのです。

 …花の美しさは形にありますが、人の美しさは覚悟と心映えではないでしょうか。」
 という文中会話に、作者の心意気が反映している。
 
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2 コメント

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ハムリン作品映像化 (ひろ)
2014-11-27 11:46:29
初めて書き込みさせていただきます。
「蜩ノ記」に続いてまたまた映像化されます。
先生自身が自作の中で一番好きと言われている「銀漢の賦」です。

NHK木曜時代劇 2015年1月15日20時から連続6回放送
出演ー中村雅俊、柴田恭平、桜庭ななみ、中村獅童、麻生祐未、吉田羊、平岳大ほか。
返信する
ありがたい (武兵衛)
2014-11-28 22:25:32
    ひろさま
 情報ありがとうございます。
 新聞を購読していないこともあり、情報過疎状態でした。
 内容もさることながら、活劇場面も期待できそうです。
返信する

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