栃木県佐野市田沼町閑馬の、千躰庚申山調査は基本的に終わったので、只今は最終的な再調査とその確認作業やら見逃し庚申塔の発見作業、そして纏め本に使用する拓本採りの作業に入っています。実はこれらの作業、意外と時間がかかるものなのです。何しろ一度調べた場所の再調査ですから、隅から隅まで丁寧な見直し作業が延々と続き、新しい庚申塔が1基でも見つかると、その組み換え作業がまた大変なのです。それが今回は、山頂部だけで十数基もの新しい庚申塔を土中の中から見つけてしまったので、もう頭の中は真っ白です。山頂部の庚申塔所在配置図はもちろんのこと、その出現場所順番毎のデータは全て入れ替えなければならないのだが、その前に山頂部に所在する庚申塔全てを見直し、現在地に伏している庚申塔を立て直すには全てそれに相応しい場所へ移動する。また、四角柱はその8割が土台の変形で斜めにかしいでいるので、それらすべては土台から補修して建て替えなければならない、そんな重労働が待ち構えています。そんな気分を晴らしてくれるのが、自分の気に入った庚申塔の手拓作業時間です。今回ご紹介するのは、天保10年に建立された三猿台座付きの四角文字塔です。本体の両側面には、建立紀年銘と建立者名もあるので、それらも同時に手拓してから、台座にある三猿像の手拓です。このような、台座にある三猿姿はそれぞれに特徴があるので、意外とそれに関心を持ちだすと楽しいもので、今度はどんな三猿姿に出会えるかとついついそんな三猿に魅せられて手拓してしまいます。
それにしても、暑い毎日が続きますね。そんな暑さの中での庚申塔調査など、普段なら絶対にしない私なのだが、相変わらず週末になるといそいそと出かけてしまう変人ぶりを発揮しています。