朝9時に、JR宇都宮駅で橋口さんと合流。今日は、橋口さんとは今年の春、夏に続いて3回目の馬頭さん巡りである。私のボロ車で一路那須を目指して出発するも、途中の大田原市と塩原町の寺院へ立ち寄ったり、犬供養塔等を見学したりして、肝心の那須方面の馬頭さんの所へ着いた頃には11時近くになっていた。
最初に訪れたのは、栃木県内の馬頭さんで最大数12頭の宝馬を持つ碑塔がある馬頭観音群。ここだけで40基の馬頭さんがある。しかし、この場所は那須下ろしの北風が吹き向ける所で、二人して思わず首をすくめる。余りの冷たい北風に恐れをなして早々に写真を撮って車中へ逃げ、途中で見過ごしてきたもう一つの馬頭群へ向かう。
急な崖を登って、色彩された馬頭群を眺めれば橋口さんの口からは自然に笑みがこぼれている。私も、ここへ来るのは10数年ぶりだけに、なにか嬉しくなって一緒に写真撮影に夢中となる。その後は、前回の夏草が酷くて満足な写真が撮れなかった、自称「馬頭観音街道」へ入る。
次から次へと出迎えてくれる馬頭群に、二人して何度撮影しても飽きない馬頭さん達の姿を次から次へと写す。それでも途中では、車ばかりに乗っていては体に悪いと、車を降りて山の中の東堂山馬頭観音堂を訪ねる。もちろん、こんな所を訪ねる物好きはいないので、かつては大変に賑わいだったという観音堂も晩秋の森の中に静に佇んでいた。
時計を見ると、とっくに昼食時間が過ぎている。二人とも、どちらかというと石仏巡りよりも楽しみにしているのが、この石仏巡り途中での食事時間。
馬頭群を背にして、目の前には八溝山脈が遠望できる、食事場所としては絶景の地。敷物を敷いてドッカと腰掛け、橋口さん持参の特別に美味しい弁当を頂く。そして仰向けに寝ころんで、高く済んだ青空を眺めては、つくづくとこの時間が何物にも代え難い思いがする。
いつもの事ながら思う、この石仏巡り途上での昼食時間の至福感。いつまでもこのまま、この場所にいたい思いを断ち切って、次への場所へと向かう。それは、前回に来て、所在地が忘れてしまって橋口さんにお見せできなかった、栃木県一の素晴らしいネコ像のあるところ。今回は、無事に到着できた。しかも、昔来たときは、捨てられ同然に置いてあったお目当てのネコ像が、他の碑塔と共にしっかりと祀られている。どうやらこれで、このネコちゃんも地元の方々に大切に守られていかれると思うと、無性にうれしくなる。
このようなネコ像、本来ならこの地方の民俗資料として非常に大切なものなので、広く多くの方々に見てもらいたいと思いつつも、その中の一人でも悪人がいたなら容易く持ち去ることが出来てしまう現実に、未だにその所在場所を公表することが出来ずにいる。勿論これは、私の狭い了見と言われればそれまでだが、現実にはこの地方の多くのネコ像がいつの間にか盗まれている現実を知っている身には、ここはひとつ皆様の非難を覚悟でこれからも所在地を隠し通そうと思っている。そんな石像が、この那須の地には多いのだから、本当にこれは悩む問題である。
さて、本日の最後の碑塔は、橋口氏のたっての望みで、ワンちゃんつまり「犬」の姿が浮き彫りされているものを見たさに、場所が遠く離れているが訪ねることにする。その途中、黒磯市の馬頭群中にある「親子馬」が戯れる姿の碑塔を見学。ここまでは良かったが、その先で道に迷う。それは、かつての余笹川の氾濫後に河川の大工事が為されて、それまでの道まで変わってしまったからである。昔の感を頼りに近くまで来たものの、とうとう自分の居場所がわからなくなり、道路沿いの民家に飛び込んで教えを乞う。そして大笑い。私達の目的とする碑塔群まであと、数十メートルという近さの民家に飛び込んだのである。「それなら、ホラあそこ」と教えられ、無事に十数年ぶりに「犬」像と再会できた。勿論、写真写りの悪い碑塔を相手に、橋口さんは写真撮影に夢中である。
まだまだ陽は高いが、これから宇都宮まで戻らなくてはならぬ私達は、今回の一応の目的を達成できた喜びで大満足である。まだまだ、橋口さんにお見せしたい沢山の馬頭さん達は、次回の来年春以降のお楽しみと約束して帰路に付く。
そんな馬頭さんの画像を「2005年石仏巡り記」11月に掲載しましたのでご笑覧下さい。
最初に訪れたのは、栃木県内の馬頭さんで最大数12頭の宝馬を持つ碑塔がある馬頭観音群。ここだけで40基の馬頭さんがある。しかし、この場所は那須下ろしの北風が吹き向ける所で、二人して思わず首をすくめる。余りの冷たい北風に恐れをなして早々に写真を撮って車中へ逃げ、途中で見過ごしてきたもう一つの馬頭群へ向かう。
急な崖を登って、色彩された馬頭群を眺めれば橋口さんの口からは自然に笑みがこぼれている。私も、ここへ来るのは10数年ぶりだけに、なにか嬉しくなって一緒に写真撮影に夢中となる。その後は、前回の夏草が酷くて満足な写真が撮れなかった、自称「馬頭観音街道」へ入る。
次から次へと出迎えてくれる馬頭群に、二人して何度撮影しても飽きない馬頭さん達の姿を次から次へと写す。それでも途中では、車ばかりに乗っていては体に悪いと、車を降りて山の中の東堂山馬頭観音堂を訪ねる。もちろん、こんな所を訪ねる物好きはいないので、かつては大変に賑わいだったという観音堂も晩秋の森の中に静に佇んでいた。
時計を見ると、とっくに昼食時間が過ぎている。二人とも、どちらかというと石仏巡りよりも楽しみにしているのが、この石仏巡り途中での食事時間。
馬頭群を背にして、目の前には八溝山脈が遠望できる、食事場所としては絶景の地。敷物を敷いてドッカと腰掛け、橋口さん持参の特別に美味しい弁当を頂く。そして仰向けに寝ころんで、高く済んだ青空を眺めては、つくづくとこの時間が何物にも代え難い思いがする。
いつもの事ながら思う、この石仏巡り途上での昼食時間の至福感。いつまでもこのまま、この場所にいたい思いを断ち切って、次への場所へと向かう。それは、前回に来て、所在地が忘れてしまって橋口さんにお見せできなかった、栃木県一の素晴らしいネコ像のあるところ。今回は、無事に到着できた。しかも、昔来たときは、捨てられ同然に置いてあったお目当てのネコ像が、他の碑塔と共にしっかりと祀られている。どうやらこれで、このネコちゃんも地元の方々に大切に守られていかれると思うと、無性にうれしくなる。
このようなネコ像、本来ならこの地方の民俗資料として非常に大切なものなので、広く多くの方々に見てもらいたいと思いつつも、その中の一人でも悪人がいたなら容易く持ち去ることが出来てしまう現実に、未だにその所在場所を公表することが出来ずにいる。勿論これは、私の狭い了見と言われればそれまでだが、現実にはこの地方の多くのネコ像がいつの間にか盗まれている現実を知っている身には、ここはひとつ皆様の非難を覚悟でこれからも所在地を隠し通そうと思っている。そんな石像が、この那須の地には多いのだから、本当にこれは悩む問題である。
さて、本日の最後の碑塔は、橋口氏のたっての望みで、ワンちゃんつまり「犬」の姿が浮き彫りされているものを見たさに、場所が遠く離れているが訪ねることにする。その途中、黒磯市の馬頭群中にある「親子馬」が戯れる姿の碑塔を見学。ここまでは良かったが、その先で道に迷う。それは、かつての余笹川の氾濫後に河川の大工事が為されて、それまでの道まで変わってしまったからである。昔の感を頼りに近くまで来たものの、とうとう自分の居場所がわからなくなり、道路沿いの民家に飛び込んで教えを乞う。そして大笑い。私達の目的とする碑塔群まであと、数十メートルという近さの民家に飛び込んだのである。「それなら、ホラあそこ」と教えられ、無事に十数年ぶりに「犬」像と再会できた。勿論、写真写りの悪い碑塔を相手に、橋口さんは写真撮影に夢中である。
まだまだ陽は高いが、これから宇都宮まで戻らなくてはならぬ私達は、今回の一応の目的を達成できた喜びで大満足である。まだまだ、橋口さんにお見せしたい沢山の馬頭さん達は、次回の来年春以降のお楽しみと約束して帰路に付く。
そんな馬頭さんの画像を「2005年石仏巡り記」11月に掲載しましたのでご笑覧下さい。