2018年10月14日から12月16日まで、
毎週日曜(22時30分~23時25分)に放送されていた『今日から俺は!!』(日テレ系)を、
私は毎回楽しみに観ていた。
福田雄一監督(演出・脚本)が西森博之の人気コミックを実写化したもので、
主人公の三橋貴志を賀来賢人が、
三橋貴志の相棒・伊藤真司を伊藤健太郎が演じ、
清野菜名、橋本環奈、太賀(2019年6月24日より仲野太賀)、矢本悠馬、若月佑美(乃木坂46)、柾木玲弥、鈴木伸之、磯村勇斗、ムロツヨシ、瀬奈じゅん、佐藤二朗、吉田鋼太郎などが脇を固めていた。
この他、
小栗旬、中村倫也、島崎遥香、山田孝之、須賀健太、浜辺美波、堤真一、山﨑賢人など、
福田雄一監督と縁のある人気俳優たちが毎回ゲストで出演しており、
それも楽しみだった。
第1話から最終話(第10話)まですべて録画しているし、
娘たちや孫たち(全員『今日から俺は!!』のファン)が遊びに来たときには、
一緒に観たりして楽しんでいる。
この人気を博したTVドラマが、映画化されることになった。
それが本日紹介する『今日から俺は!!劇場版』である。
ドラマ版キャストに加え、
柳楽優弥、栄信、山本舞香らが出演し、
原作でも人気の高いエピソード「北根壊(ほくねい)編」が描かれているという。
居ても立っても居られず、
ワクワクしながら映画館に駆けつけたのだった。
「今日から俺はつっぱる!」
時は1980年代。
転校を機に、
髪を金髪に変えてつっぱりデビューした軟葉高校二年生・ 三橋貴志(賀来賢人)。
持ち前の運動神経とねじ曲がった性格で、たちまち周囲の不良達に目を付けられる。
同じ日に転校してきたトゲトゲ頭の伊藤真司(伊藤健太郎)とコンビを組んで、
次々やってくる強敵を返り討ちにしていく毎日。
三橋と友達以上恋人未満な 赤坂理子(清野菜名)や、
伊藤とラブラブな 早川京子(橋本環奈)とのラブコメ的青春を謳歌したいのに、
寄ってくるのはワルばかり。
三年になったある日、
かつて二人が壮絶な戦いを繰り広げた不良の巣窟・開久高校の一角を、
隣町の北根壊高校が間借りすることになる。
かなりの極悪高校で名の通った 北根壊の番長は、
柳鋭次(柳楽優弥)と、大嶽重弘(栄信)。
彼らは、
智司(鈴木伸之)と相良(磯村勇斗)という圧倒的な“頭”を失った開久の生徒に対して、
「お守り」と称してただのピンポン玉を5000円で売りつけ、
お守りがない生徒には暴力を振るうという卑劣な商売を始めるのだった。
お守りを買わなかった森川悟(泉澤祐希)は、
北根壊の生徒に袋叩きにされる。
森川が怪我をしているのを見て、
森川のいとこで永架高校のスケバン・ 涼子(山本舞香)は、
森川の嘘の証言もあって三橋と今井(仲野太賀)を襲撃する。
それは、
『今日から俺は!!』史上、最大で最凶の波乱の幕開けだった……
いや~、面白かったですね~
アドリブ(であろう)部分が少し長い気がしたものの(特に佐藤二朗)、
上映時間の114分が“あっと言う間”であった。
“劇場版”は、TVドラマのときよりも、
面白さがパワーアップしており、
三橋貴志(賀来賢人)と、
伊藤真司(伊藤健太郎)も、
いつもより格好よく撮られていたような気がした。
賀来賢人、伊藤健太郎や、
“劇場版”の敵役である柳楽優弥、栄信などの男優陣も良かったが、
“鑑賞する映画は出演している女優で選ぶ”主義の私としては、
やはり、
清野菜名、橋本環奈から目が離せなかった。
赤坂理子を演じた清野菜名。
昭和的な(古風な)顔立ちの女優で、
中高年世代にもファンが多いと思うが、(私もその一人)
そんなお淑やかなイメージとは裏腹に、
彼女のアクションは素晴らしく、
その“静”から“動”への移行、ギャップがたまらない。
一切笑いをとらず、真面目過ぎるほど真面目な役なので、
(真逆な役柄の)ふざけてばかりいる三橋貴志(賀来賢人)との絡みがとても面白い。
生田斗真と(2020年6月1日に)結婚したばかりであるが、
今後も(いつまでも)女優を続けてもらいたいと切に願う。
早川京子を演じた橋本環奈。
漫画を実写化したときにはいつもキャスティングされている印象があるが、
それほど現実離れした可愛さで、
TVドラマの方で早川京子として初登場したときの可愛さは超ド級であった。
彼女の魅力は、
こんなに可愛いのに、
(バラエティ番組で)おじさんのような豪快なガハハ笑いをしたり、
(役柄とは言え)ぶりっ子を演じたり、
(自ら進んで)変顔をしたりすることにある。
そのギャップがたまらない。
清野菜名もそうであったが、
『今日から俺は!!』の面白さは、俳優陣のこのギャップにあるような気がした。
早川京子の相棒・川崎明美を演じた若月佑美。
ドラマ撮影時は、女性アイドルグループ乃木坂46のメンバーであったが、
ドラマ放送直前の2018年10月1日、
自身の公式ブログで2018年11月30日をもって乃木坂46から卒業することを発表した。
いつも早川京子(橋本環奈)と一緒にいて、
京子が伊藤(伊藤健太郎)の前でぶりっ子をする度に、
「なにやってるんすかっ?」
と真面目にツッこむところが(お約束となっており)面白い。
清野菜名が「清楚さ」担当、
橋本環奈は「可愛さ」担当であるならば、
若月佑美はさしずめ「美しさ」担当で、
こんなに美しいスケバンがいたならば、
喧嘩をする前に、その“美”にイチコロにされてしまうような気がする。(コラコラ)
不良なのであるが、真面目に不良をやっている感じで、(笑)
こんなにも美しい女の子がスケバンをやっているというギャップがたまらないし、
そこがとても好い。
自分の低い声がコンプレックスだったそうだが、
それが逆に活かされるスケバン・明美という役に巡り会えたことで、
自信にもつながったとか。
今後の活躍にも期待したい。
森川悟(泉澤祐希)のいとこで永架高校のスケバン・ 涼子を演じた山本舞香。
TVドラマの方には出演していないが、
“劇場版”のヒロインとして華を添えていた。
すぐカッとなる性格ではあるが、根が真面目で、曲がったことが嫌いなスケバンを演じており、山本舞香という女優に相応しい役であったように思う。
彼女を映画で初めて見たのは、『殿、利息でござる!』(2016年)であったが、
その後、
『恋は雨上がりのように』(2018年)
『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(2018年)
などの映画や、
現在放送中のTVドラマ『ハケンの品格』第2シリーズ(2020年6月17日~、日テレ系)などでも楽しませてくれており、
見ない日はないほどの活躍をしている。
ドラマでもバラエティにおいても、
世の中に迎合しないような独特の雰囲気を醸し出しており、
そういう意味での存在感のある女優として今後も活躍し続けるに違いない。
出演女優ばかりをレビューに採り上げる偏向した記事内容であるが、(笑)
最後に、私の好きなキャラクター、今井(仲野太賀)について一言。
“劇場版”の今井は、なかなか得な役回りで、カッコイイ。
7月17日に放送された「今日から俺は!! スペシャルドラマ」でも、
新川優愛と桜井日奈子を相手に“両手に花”というモテモテの役で、(笑)
その延長線上に本作もあったような気がする。
実際はいないだろうが、今井のような友人が一人いたら、
人生は随分と楽しくなるだろうと思った。
日本映画興行成績ランキング(毎週月曜更新 7/18~7/19、日刊興行通信調べ)で、
第1位を獲得。
7月17日の公開日から10日ほど経過しているが、
佐賀県の映画館では、今も1日10回上映が続いており、
新型コロナウイルスを蹴散らすような好調ぶりだ。
映画館で、ぜひぜひ。