昨日、大日小屋に到着した時は、ガスっていて周囲の風景は見えなかった。
朝起きて、真っ先にしたことは、外を見ること。
「あっ、晴れている!」
この大日小屋から見る剱岳は、特に美しいことで知られている。
4:28 サンダルを履いて外に出る。
朝の爽やかな冷気が頬を撫でる。
眼前に、美しい剱岳のシルエット。
しばし見入る。
登ったことのある山は特に美しく見えるというが、今朝の剱岳は、格別の美しさだ。 . . . 本文を読む
8月3日(火)は、早朝より行動を開始し、剱岳に登頂後、別山乗越までやってきた。
これから大日三山縦走に向かう。
縦走路の入口に、このような警告板があった。
称名方面
大日平山荘より先
土砂崩れのため
通行止め
復旧未定
そうなのだ。
梅雨の大雨で、大日平から先の急坂が崩落し、称名滝への通り抜けができなくなっていたのだ。
それが、数日前にやっと「解除」になった。
〈これでどうやら大日 . . . 本文を読む
剱岳が魅力的なのは、美しくて、しかも危険な山だからだ。
ただ美しい山は、たくさんある。
どの山もそこそこ人気があるだろう。
だが、剱岳のような、心臓を濡れた手でわしづかみにされるような、グッと惹きつけられる魅力はない。
それは危険度が違うからだ。
毎年のように死亡事故が起きているのに、多くの登山者が訪れるのは、誰もがこの山に魅入られているとしか言いようがない。
人間も、ただ美しいだけの人間はすぐに . . . 本文を読む
8月2日(月)。
同じ部屋にいた20代の若者は、午前4時頃に出発した。
彼は、朝食は弁当にしてもらっていた。
朝食は午前6時からなので、早く出発する人は朝食を弁当にしてもらえるのだ。
若者の部屋を出て行く音で目が覚めた。
午前4時半頃になると、窓の外が明るくなってくる。
私は午前5時に起床。
朝食まで時間があるので、山荘の周辺を散歩した。
地面が濡れている。
昨夜、雨が降ったそうだ。
でも、今は、 . . . 本文を読む
かつて、山へ向かうパーティは、それぞれが自立した登山者の集団であった。
自立した登山者とは、「ひとり歩き」ができるということである。
ひとりで歩き通せる体力があり、
正しい道具の使い方と、いくらかの技術が身に付いていて、
トラブルに対応できる山の知識と判断力がある……
そんな自立した登山者たちが、よりレベルの高い登山に挑むためにパーティを組む……というのが本来の姿であったような気がする。
ところが . . . 本文を読む