一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

川本三郎『いまも、君を想う』 ……とめどなく思い出される君ありし頃……

2010年06月29日 | 読書・音楽・美術・その他芸術
久しぶりのブックレビュー。 私の人生で、最も時間を割いているのは、「山」でも「映画」でもなく、実は「読書」。 かれこれ40年間、ほぼ一日一冊のペースで読んでいる。 なのに、このブログにブックレビューが少ないのは、レビューを書くヒマがあったら次の一冊を読みたいから。(笑) 本は、ほとんど、図書館から借りて読む。 本を一日一冊買っていたら、私の小遣いはたちまち無くなってしまう。 それに狭い家は溢れた本 . . . 本文を読む

映画『信さん 炭坑町のセレナーデ』…優しさと美しさと懐かしさに満ちた作品…

2010年06月27日 | 映画
小雪主演の映画『信さん 炭坑町のセレナーデ』をやっと見ることができた。 すごく楽しみにしていた作品だったので、とても嬉しかった。 この作品、2008年の秋に、福岡県をはじめとする九州各地で撮影が行われた。 2009年に公開されるかと思ったが、その後、なかなか公開日が決まらなかった。 今年になって、3月頃から田川市の文化センターなどで先行上映会が催されるようになり、 福岡県内映画館での先行ロードショ . . . 本文を読む

作礼山・登吾留山 ……緑のシャワーを浴びながら、可憐な花々と出逢う……

2010年06月24日 | 作礼山
この時期、躰がいくつあっても足りないほど忙しい。 いろいろやらなければならないことが多すぎる。 今日の休みも山に行けるかどうか危惧していたが、なんとか午前中だけは時間がとれた。 っていうか、無理矢理時間を作った。 入梅し、雨の日が多くなっているが、今日は梅雨の合間の貴重な晴れの日。 時間が限られているだけに、近くの山と、今見られる花を存分に楽しみたい。 まず最初に向かったのは、多久聖廟。 聖廟の近 . . . 本文を読む

映画『ソフトボーイ』 …佐賀が舞台という理由だけでなく、お薦めしたい作品…

2010年06月22日 | 映画
佐賀県小城市が舞台の映画『ソフトボーイ』が、6月19日(土)より公開されている。 佐賀県内では話題作なので、友人知人などから映画の感想をよく求められる。 で、さっそく見に行った。 佐賀県にある牛津学園高校。(劇中では「学園」を付けてある) 高校最後の夏……進学、就職に悩む季節。 調理科に通い、密かにフレンチのシェフを夢見るオニツカ(永山絢斗)も、自らの進路に思いをめぐらせていた。 そんなオニツカ . . . 本文を読む

祖母山 ……ひたすら雨の中を歩いた先に見つけたもの……

2010年06月20日 | 山岳会時代の山行
からつ労山の6月の月例山行は2回あり、 1回目の6月6日(日)は霧島山系に行った。 2回目の今日は、祖母山。 祖母山に登るのは、からつ労山の月例山行としては2008年10月12日・13日以来なので、1年8ヶ月ぶりということになる。 あの2008年の山行では、 1日目は、尾平登山口から登り、宮原を経由して祖母山山頂へ。(九合目小屋泊) 2日目は、A班とB班に分かれ、 A班は、大障子岩や前障子岩を経て . . . 本文を読む

天山・彦岳往復縦走 ……初体験の後に、夏山に向けての体力強化……

2010年06月17日 | 天山・彦岳
昨日、初体験をした。 恥ずかしながら、私は、それを、今の年齢になるまでしたことがなかったのだ。 同年代の人に訊いても、ほとんどの人が体験していると答える。 「えっ、したことがなかったの?」 と、ちょっと小馬鹿にしたように言った人もいた。 それは、それほどまでに普通のことなのか…… 体験していない私が異常なのか…… 「そのこと」をしなければ、大人と言えないのか…… だが、私は「そのこと」が恐かった。 . . . 本文を読む

映画『孤高のメス』 ……医療ドラマというより、ラブストーリーであった……

2010年06月15日 | 映画
『告白』と同様、この映画『孤高のメス』も楽しみにしていた作品だった。 原作や監督に興味があったワケではない。 夏川結衣と余貴美子という私の大好きな女優が出ていたからだ。 この二人は、私にとっての「一緒に酒を呑みたい女優」(オイオイ)ナンバー1とナンバー2。(コラコラ) とにかく魅力的な女優だ。 夏川結衣に関しては、最近では、TVドラマの『遠まわりの雨』が印象に残っている。 脚本家・山田太一が、日本 . . . 本文を読む

映画『告白』 ……湊かなえと中島哲也と松たか子の「覚悟」が傑作を生んだ……

2010年06月13日 | 映画
湊かなえの小説『告白』を読んだのはいつだったろう…… いつも利用している図書館で借りて読んだのは間違いない。 2008年8月刊だから、2009年になってから読んだのだと思う。 本作は、2008年の年末に発表された「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位に、 「このミステリーがすごい!」では第4位に選ばれ、一躍話題になった。 それを見て、「読んでおくべき作品かな……」と思い、すぐに図書館に予約した . . . 本文を読む

通石山・樫原湿原・八幡岳 ……私だけの湿原で黄金のひとときを過ごす……

2010年06月10日 | その他・佐賀県の山
今日も、お昼までに佐世保に行かなければならないので、午前中だけの山歩き。 早朝に家を出る。 本日のいちばんの目的は、樫原湿原のトキソウ。 もう咲いている頃だろう。 トキソウと聞いて、いつも思い浮かべるのは、『佐賀の野草』(貞松光男/佐賀新聞社)に収められている文章である。 上巻の最後の頁に、トキソウについての記述がある。 そこで、著者の貞松氏は、次のようなエピソードを紹介しておられる。 《ある老 . . . 本文を読む

映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』…本当の主役は…

2010年06月08日 | 映画
最初に苦言をひとつ。 タイトルがよくない。 『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』 長すぎる。 タイトルですべてを語ってしまってはいけない。 TV文化の悪しき影響か? まるで新聞のTV番組表のタイトルのようだ。 思い切って『RAILWAYS』だけでもいいが、これは明らかに『ALWAYS』の二番煎じで、ROBOTが企画・製作していること以外関係ないのに、これもイマイチ。 このタ . . . 本文を読む