トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

子ども達の世界

2009-06-17 | 小父のお隣さん
『嬉しいか枝より落ちしオタマたち尾びれ震わせ水底へ行く』
『泥色に身を施したヤゴは今オタマ狙ってわずかに進む』
『バイバイと尾を振りて死すオタマかなマツモムシなお喰らいつく昼』
『尾も取れぬ幼ガエルが陸上がり森目指す身にエールを送る』
『溜池の喫水線に並びたるガマの子たちは一斉上陸』
『細流に身を留めたるカニの子よ脚踏ん張りて何を食いたる』
 生れ落ちたそのときから生存競争の真っ只中だ。棚田にオタマジャクシの姿が見えた翌日には田んぼのイモリはメタボな腹部を呈していた。
 田に水を張ると一旦はミジンコもユスリカの幼虫もここかしこに見られたが、数日のうちにその数を減じた。食物連鎖とは各も厳しいものだと田んぼ一枚で実感できる今日この頃だが、一方では「支えられて生きている」と言う実体感も強い。
 現職の頃は省みる余裕も無かったように思うが、社会から隔絶した毎日の中では「役に立っている」という社会的な実感の大切さを改めて感じ取ることになったのも、食物連鎖の厳しい現実からだ。