トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

陽不見

2012-04-12 | 小父のお隣さん

Photo_3  林道に頚部をちぎられた個体があった。110番通報はしなかったが仔細に検分する。犯人は獣ではなく鳥類の仕業の様だ。丸呑みにしなかったのは中型の鳥類だったのか…。

 まだ血液は乾燥していなく新しい。鮮血そのもので傷が痛々しかった。数年に一度程度はお目にかかるが、生体ではなく総て息絶えてからである。

 ピノキオのような鼻や、房箒のような尾は生きていればユーモラスで可愛い存在だろうにと惜しまれる。

 満開の桜を見たかったのか、地下生活で日光を見たくて出た来たのか、「陽を見たか?」と訊ねても息絶えた身では「ヒミズ」と名前の通りになってしまった。生者必滅・会者定離の現世とは言え、哀れこの上なし。桜は吹雪のように舞い始めた。合掌。


*春よ春

2012-04-12 | 小父のお隣さん

               フクロウは真っ先に来た春の客

               ツグミ見ず春を迎えて庭寂し

               梅と来たイソヒヨドリは屋根で鳴く

               清明や水底黒きガマの子ら