トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

水春譜「これが苦労の初めですい…」

2017-04-08 | 感じるままの回り道
 今日は花祭りか…、郷里の寺では甘茶と誕生仏を境内に出しているのだろうか。甘茶は少年期以来飲んでいない。

 さて二枚貝飼育も一週年経った。冬越しも順調に済み水底の砂の中から貝の一部があちこちに突き出てきた。冬越し中には確認できなかった状態である。
 一番の障害は餌の確保だったが、小生の人工餌でエネルギー消費の少ない冬季とは言え生存を維持できたから大筋では間違ってはいないだろう。
 二枚貝に求めているのはタナゴの繁殖を助ける事と貝そのものが池で繁殖してくれる事にある。貝自体が産卵してくれればオランダ獅子頭二匹、マドジョウとホトケドジョウにメダカと、幼生が鰓に寄生してくれるであろう魚を同居してあるから、稚貝を期待している。

 冬の間、まったく姿を見せなかったタナゴ、ドジョウ、メダカなどは花だよりを聞く頃から観察できるようになっている。タナゴは昨年の様に池の畔に立てば浮上してくる状態では無いものの、水底でいわゆる「ヒラを打つ」状態が見られるから、タナゴなりにリラックスしているだろうと感じている。
 一番確認したかった事は「産卵準備」があるかどうかなのだが、目を凝らし水底のタナゴを見ていると産卵管が伸びている個体が何匹かいる。池の中のオスの存在が不明なので受精卵が出来るかどうか分からないものの、昨季の様に貝に近づくメスを追い払ってしまう大きなオスは越冬前に寿命が尽きたから、今のところは縄張り争いは見ていない。
 貝に産卵させ稚魚が育つまで水槽で飼育も考慮したけれど、今期は広い池での繁殖を目指す。「稚魚が喰われる」心配はあるものの、メダカは繁殖しているから生き残る個体も出るだろうとの見込みなのである。

 昨季、池の中のマドジョウとホトケドジョウは姿を見た事が無かった。今季は冷凍のアカムシキューブを投げ込むと水底に姿を見せてくれる。カップルなのか大小二匹で移動するドジョウもいて「産卵するか…」と期待も膨らむ。
 ホトケドジョウは水際線まで浮上して餌をあさる姿を見せるが、ズングリムックリの体形はユーモラスで微笑ましい。

 これからの課題は水質管理に尽きるのだが、珪藻類が繁殖してくれれば貝への給餌労力は大幅に省略できる。現在、水中には壁土色の藻が繁殖中だけれど、緑藻類でなく珪藻類だと嬉しい。昨年悩まされた「茶水」は珪藻類の繁殖の結果かどうか不明だが、アオミドロも繁殖していたものの藻について小生は無智である。
 酸いも甘いもごちゃまぜの池の中は悲喜こもごもでもあるのだが、それも魅力のひとつになっていて、なんたって小生が抱える「小宇宙」なのだ。そんなことから「孫悟空を掌で見守るお釈迦様」の心境にも想いを馳せるものの「全ておしゃか」にならぬように気遣いと苦労は絶えないが、まあ、「命を預かる」事なので水に流れぬよう老骨に冷や水がかかっても辛抱辛抱、わが身は貧乏…。