トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

いつもの様に水が引き…

2017-04-22 | 水辺環境の保全
 春の嵐で24時間雨量170mmを記録し、一番の懸念は水辺のトラブルである。雨上がりの点検では送水管の吐水量も心配する事無く、泥水池なども越流や崩壊も無かったから、水源地は巡回確認だけで良いかと思っていた翌日、吐水量が大幅に減ってしまった。山からの出水量はタイムラグもあるし、増水後にトラブルがある事も普通だから、スコップや鍬、土嚢袋を持って隣沢の取水地に向かった。

           取水路の底抜け ➡  取水機能復活

 表題の様に「ちあきなおみ」の「喝采」をもじって歌っている場合では無く「渇水」直前だったのが一目瞭然の取水地の状況であった。
 取水路は堤が底抜けして取水升に水が行っていないし、沢止め工を施した最下段も底抜けし、今まで堆積していた土砂まで流出している。取水路は玉石を運び砂礫を被せて取水升への水流を復活させたが、沢止め工の底抜けは規模が大きく玉石程度では補修が出来ない。
 しかし、このまま放置すれば上段の沢止め工部分まで浸食が進み、取水升より河床が下がってしまう。こうなると個人の努力での取水は不可能になり水系を放棄せざるを得なくなるのだ。

 土嚢は用意してあるものの、この状況下では役立たずで、他に道具も準備してなかったから応急処置として倒木の幹を運んで底抜けした部分に抵抗体として据えた。これで大幅な流出は抑制されるだろう。後は出水の度に流される土砂で自然に埋まるのを期待する。
 今回の雨量で最下段が底抜けしてしまった事を除けば、沢止め工の段差工を施した上部は土砂の流入堆積で埋まり安定した河床の傾斜が出来た。これで川幅いっぱいを使った取水路を施せる。

 悩みの種は同じ取水升から取水している部農会の手の下し方だ。取水地が崩壊した時も全く復旧や保全活動をしなくて復旧させた後は取水升からの排砂路に寄生して取水していた。小生が管の破損個所を確認し、結果的に取水升に接続したのだが、相変わらず取水升からのオーバーフロー部に玉石で仕切って水を溜めようとする。オーバーフローの意味や排砂機能の重要性すら理解していないのではと思ってしまう相手が水利権者なので始末が悪い。

 小生の水系は送水が無ければ「即、環境問題」で「水生生物全滅」、部農会への送水は、無くても別系統があり特段困らない環境なので、正直、足を引っ張らないでほしいと思うのだが妙案なし。

今日のトンボ「クロスジギン山な日」

2017-04-22 | 小父のお隣さん
 泥水池を見回り中、畦の上にヤゴの外殻とトンボの翅、シュレーゲルアオガエルの卵があった。一画面に収めるには小さくなりすぎるから外殻だけ寄せて写してみた。外殻が表土の上に有ったのも疑問で、まだトンボの少ない時期に中型トンボの翅だけあるのも解せなかった。

 謎解きはともかく、外殻を見て「ビビビッ!」と来たので、三日月池に行ってみた。予想的中の万馬券で、クロスジギンヤンマの羽化体があっちにもこっちにもあるではないか。
 言わしてもらえば「乙女に囲まれ蜜の流れる畔に立つイスラム教徒」の心境そのままなのだった。この一帯の中で三日月池がクロスジギンヤンマのヤゴには適している環境とみえ、発生量が抜群なのである。雨水だけの溜池だけれど、これほどいっぺんに羽化体を見れたのは初めてで、ましてやシーズンにようやく入ったばかりなのだ。

 一体一体、撮影しようとしたが数の多さに断念した。羽化体はカサスゲに集中していて、カサスゲの繁茂している水域が好みらしい。昨年の事、繁茂し過ぎを抑制しようとカサスゲの抜き取りをした事があったけれど、その折、根株の中に多くのヤゴがいることが判明し、抜き取りを途中で放棄した。この春も除草しようと眺めたりしてみたものの、ヤゴが居るだろうと手が出なかった場所なのである。

 例年の事だが、羽化体を見ても飛翔体は水域には飛来してこない。成熟するまで安全空域で生活しているのだろうと推測しているものの事実かどうかは分からない。
 今春の池の水は茶水でなく澄んできた。水中のシャジクモの繁茂ぶりも良く見えるのだが、このシャジクモ、どうして池に進出したのかと思う。おおかた水鳥が運んだのであろうけれど、水系のシャジクモよりかなり大振りで立派な姿で、これも不思議だ。