先日、曳き臼で製粉しておいた「十八穀粉」を使い、ようやくクラッカーの試作が出来た。美味しさと栄養価を高めるために「削り粉」入りでの試作である。朝食の頃合いで霧雨が落ちて来たから「これ幸い!」とフイールドは中止で引き籠りとした。

ネットのレシピ通りにはならないと言うより同様な物を探すのも手間なのでアバウト・アバウトはいつも通りだ。
十八穀粉 100g
ベーキングパウダー 3g
バター 14g
牛乳 80ml
醤油 小さじ2
削り粉 大さじ1
粉とベーキングパウダーとバターを揉みながら砂状にしてから液体を投入。牛乳は固さ調整のためもあって50mlから少しづつ加えながら耳たぶほどの固さにした。次は延べ棒で押し広げたが両脇に3mm厚の板材を敷いて伸ばしたから厚さは均等に出来た。オーブンは170℃で予熱し15分焼いて完成した。
一番肝心なのが「美味しさ」なのであるが市販のメーカー品より食べやすいし「旨い」味わいがある。粒子は粗く感じるけれど食感としては悪くはなく、市販品の「歯にまとわりつく」感覚が無いだけ食が進む。この感じだとお八つにも主食の代用にも十分利用できる印象だ。
難は製粉作業なのだが1回分100g程度なら20分ほどで済むけれど、曳き臼の準備や片付けが大仕事だ。今回は600gほどを用意してあるから何種類か試作するけれど「こんなもんか!」と体験学習で終わりそう。つまみ食いして味が分れば興味を失くするわがままジジイなのである。
四国だったかにドンファンが存在していたが、さしずめ小生もドンファンの末席には繋がりそうで、姥捨て山在住でも社会的評価がもらえる存在になったのだろう。まあ、そんなもの物の役にも立たんが…。
伸ばす ➡
成型 ➡
焼き上がり
この後、午後に「とろろ昆布粉末入りクラーッカー」を焼いた。バターと削り粉を外しとろろ昆布はレンジ乾燥で粉末化し、卵を加えて比較してみるためでもある。見た目はほぼ同じでも食感は異なるし香りも異なる。咀嚼するに従いとろろ昆布の味わいと触感が増す。削り粉の魚臭さよりは一般向けだろう。魚臭さを嫌わなければどちらも小腹が減った時に摘まむのに好ましい感じである。砂糖もバターも少なめか皆無、ましてや雑穀成分のクラッカーなので気兼ねなく食べれるだろう。
哀しいかな哀しいかな、「私、食べる人」オンリーにはなれず「私、作る人」と裏表の人生なのだった。ホント、じゃんけんぽん、勝は無い無い相子の仕様…。
とは言え、喰い物が口に入ってきたり、前にある生活は「籠の鳥かベッドの病人」と記した一文を読んだ記憶がある。これを拠り所に老骨に鞭打って生きるのじゃぁ。Goto使えば「上げ膳下げ膳」出来るだろうがカツカツの身では無理無理じゃあて。