トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

越冬の厳しさ・・・

2022-02-09 | 小父のお隣さん
  立春も過ぎた。越冬幼虫はどうなっているだろうかとまずアカボシゴマダラの幼虫がいるエノキの幼木に行った。落葉時に幼虫の居た二股の部分には幼虫の姿が見えない。当時の記憶をたどれば3頭確認していたのだがどの場所からも消えている。
 それでも諦めきれなくて更に下枝まで探索したらようやく1頭だけ発見できた。一昨季の初冬、ひこばえで藪状になったY川脇のエノキには多くの越冬体あったのだが昨春の新芽が萌えるまでにほとんどが消えていた。越冬体にとって寒気より危ない事態が発生するのだが捕食する側はそれでその日の生が維持できている。

 カラスアゲハだったかの越冬幼虫も確認に行った。保護色で「なんとも絶妙な・・・」と感じ入った2頭とも痕跡も残さず消えている。2頭のうち1頭は既に「寄生されたかも…」と指で触れてS先生が判断されていた個体なのだが食料としては問題は皆無なのだ。
 この越冬幼虫はサイズも大きいから採集されてしまった事も考えられなくは無いけれど、体長8mm程度のアカボシゴマダラの幼虫でさえ捕食される現実を見れば体長50mmにも及ぶ大物が生きながらえる確率は低いのだろう。何かの本にあった「三千の卵から幼虫は300、蛹化できるのは30、子孫を残せるのは3」と言うような内容だった。保護色で身を纏い越冬していても欺くのは容易ではなく捕食者も命が掛かっている食物連鎖の中では当たり前の事なのであろう。

  ➡