トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

越冬幼虫全滅

2017-02-13 | 小父のお隣さん
 立春を過ぎてから氷点下になる日が続いている。この日は未明の雨が雪になったと見え周囲の山は薄く雪化粧して、近所の屋根も白くなっていた。フイールドは雪化粧と言うより降霜で真っ白になって、水辺は再氷結している。

 こうならなくても時折は御機嫌伺をしているアサギマダラの越冬幼虫を確認に行ったのだが結果は残念至極であった。食草園に残っていた一体は二つに折れ葉裏で萎んでいる。どういう理由か不明だけれど、今まで確認してきたアサギマダラの幼虫は二つ折れで絶命している事が多いのである。素人の見立てだけれど、身体中央部の脚の保持力が強くてそうなっているのかとも思える。

 何株か見て回ったが生存は無し。草間彌生風の芸術作品を残し野生の芸術家は全滅した。昨季は複数の終齢幼虫を観察したが今季は無理となった。次の産卵に備えキジョランの保育に励むしかない。まあ、羽化体を見かける事も無いのだけれど、旅蝶のおもてなしにフジバカマくらいは用意する。
 ここで思い出したのは数年前の4月ごろ、アサギマダラの飛翔体を観察した事があった。「早い到着だなあ」と思ったのだが、ひょっとすると当地での羽化体だったか…。うっかりしていたものだ。
      草間彌生風!?          食痕を残した亡骸

エルボを使う、裏腹の働き

2017-02-12 | 水辺環境の保全
 取り付け前  ➡  取り付け後、下側が部農会ライン。渦が見える

 取水升の清掃に行き手当てできなかったエルボを取り付けに日を改めて出かけた。フイルター清掃をした結果、オーバーフローは無くなり取水升へ水は流入しているものの、陰圧の大きい部農会ラインが大半を吸い取っている。
 吸水口が同じ水準では太刀打ちできないからエルボで吸水口を下げる事にしたのである。水量が十分な時は上向きに取り付けておけば沈殿した砂泥を部農会ラインより吸い込まずに済む。結果的に断水の事態も遠ざけられる。
 渇水期に下向きに取り付ければ陰圧の大きい部農会ラインが吸水できない事態になってもエルボの吸い口は下がっているので水の供給は断たれずに済む。しかしながら沈殿した砂泥をいち早く吸い込んでしまうので取水升の泥さらいは欠かせなくなる。
 まあ、相手は水物、変幻自在は致し方ないということであろう。

               上向き装着      下向き装着

降雨があれば水が滞る

2017-02-11 | 小人閑居して憮然
 強い寒気団が来て当地は少しばかりの雨量を観測した。取水地の河床は崩壊地の下だから浸食変化は他の河床より激しく見回りと手入れが欠かせない。
 この日、吐水口を確認に行ったら減水しているではないか。何時もの通りスコップと四本鍬を携え水源地に向かう。10mm程度の降雨では水量が増える事はないものの、ヒノキの枯れ葉が取水升のフイルターを覆って水を逃がしていた。
 作業はフイルター周囲のゴミと砂を取り除いて終わり、あっけないもので行き返りの時間が長すぎる程である。
 
 一般的に同じ取水升から配水する時、吸水口は同じレベルで取り付けるが、水量が減ると部農会ラインの落差が大きく、陰圧が圧倒的に高い。このため水量が少なくなると音を立てて吸い込んでいく。これでは落差3mの我がラインは圧倒的に不利で、この状態が続くと管内に空気溜まりができ、それが断水の原因にもなる。

 昨年、取水升内の砂泥を吸引しない様にエルボを管口に上向きに取り付けてみたのだが、部農会ラインを再接続された現在、渇水期には下向きに取りつけ、部農会ラインより吸水口を下にしないと安定供給が損なわれる。こうすると土砂を吸い込みやすくなるから一長一短である。
 水は生き物ではないものの「お世話」が欠かせず、いきものがかりのように「放牧しました」なんて悠長なことは言っていられない。まあ、そういうご当人はとうの昔に放逐されているのだが…。

        チョボ水だ     清掃前 ➡  清掃後

**赤鬼と青鬼の断GO 2

2017-02-10 | 温故痴新
まつりごと空しきものと知る時し日ごと夜ごとの戯れカード
      世の中は空しきものと知る時しいよいよますます悲しかりけれ   大伴旅人

性鉄板思へし彼もデジタルの活字の中で喚きたりける
      丈夫と思へるわれや水茎の水城の上に涙拭はむ           大伴旅人

七重八重口も裂けよの山吹きに実のひとつだになきぞ危うし
      七重八重花はさけども山吹の実のひとつだになきぞあやしき    兼明親王

張り倒せ鬼はかますもホトトギス鳴かぬはずだよ嵐とぞおもふ
      春来ぬと人はいへども鶯の鳴かぬかぎりはあらじとぞおもふ    壬生忠岑

ひさかたの光のどけき春の日もしづ心なくツイート散らす
      ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ       紀友則

貼るが来た。腰に来た。

2017-02-09 | 水辺環境の保全
 立春が過ぎたとは言え水辺は緩んでいない。ところが小生の五体は長い助っ人ですっかり緩んでナマクラになり、これでは「いざ鎌倉」の非常事態に役立てない。馬はおらず自分が馬として人生を過ごしてきたとは言え、ヤマザクラに遠く及ばずとも大和心は少々残っていると信じて疑わない小生としては矜持を失ってしまう事態になる。

 朝の寒さがぶり返したこの日、意を決して水辺の補強に出向いた。もちろん本格的作業など意図はせず、昨年の残り物の続きなのである。緩んでいると思われた池は再氷結したものの泥地は凍結しておらず掘り起こしに凍結による負担は無かった。

 ところが廃棄された棚田跡に侵出してきたアズマネザサの根茎が泥地内に縦横に残り、これが鍬での掘り取りの邪魔をする。こういう時はスコップでの掘り取りをするのだけれど、鍬で掘り抜く動作よりスコップで掘り上げる動作の方が労働強度としてはきつく腰に来る。二か月ほど行っていなかった作業なので腰痛ベルトにストレッチ、はてまた腰の据え方を自覚しての作業をしたのだが使っていない筋肉の目覚めは遅く、暖機運転のまま作業は中断。

 熱中しない作業の中で、氷結した水面を見ていると氷結の進み方が分かる氷模様が見える。初冬に掘り上げたもののヤゴなど多数いたから引き上げずにいたカンガレイの根塊から氷結線が放射状に伸びていた。氷の模様など幼い時から見慣れている対象であるものの逆光で眺めるとある種の美しさがある。水温む前のささやかな楽しみとでも言うのか…。
 ここにはまだ日照は戻っていず「春が来た」より「貼るが来た」になりそう。ここを片づけないと泥浚いもネザサ刈りも着手出来ない。
 「朝星夜星の水飲み百姓」のようにやっぱり馬車馬の人生で…、宝くじで春よ来い。買ってないから貼るだけよ。

            全面氷結       稈を敷設する

木aワーカー脱線中…

2017-02-08 | 小人閑居して憮然
 我ながらいささか情けなくなってきた今日この頃なのだ。歳や時間を考慮すれば二股など「もってのほか」なのは明白で、珍爺電車を本線に戻さねば破綻してしまう。
 小生の大好物「もってのほか」は、聞いて理解できる人は少ないだろうけれど食用菊の品種名と言えば通じるだろうと思うものの、イケメンにあらぬ小生に二股は断固禁制間違いなし。

 まあ、与太話はいつもの通りで、根が嫌いでないだけに分岐点を探すと、もう「情に竿させば流される」に尽きる。助っ人休日と言っても「お持ち帰り」があるから休日にはならない。
 今のところフイールドは開店休業状態であっても植樹や刈り払いはオフシーズンであり影響は少ない。しかしながら草萌える頃となれば二股は完全崩壊するのは目に見えている。「情に竿させば流される。とかく務めは窮屈だ。」を肝に銘じて断行するしかないだろうと結論はあるのだが、義理は果たしたとして理をいうのに角はたたないものの、いささか気が重い環境なのである。

 その「お持ち帰り」を週末に片付けた。平たく言えば作業場の業務用ホチキス置台が分解寸前でコピーを頼まれた。木aワーカーとしては木製品が正しい道なのであるが、どうせ脱線中だから金属製で耐久性を高めてみる事にした。
 寸法だけのコピーで道具本体が無いから作ってから現場で確認する事になった。結果から言えばしっくり収まったのであるが、収まりたくない小生は「どうすればよい!?…」と人生の難問に直面しているのに、まあ、髪がないからコピーも作れぬ。
           右が金属でコピー  ➡   しっくり収まった

**赤鬼と青鬼の断GO!

2017-02-07 | 温故痴新
 東の地に争いの数見えて省みぬまま国割れ裂きぬ
          東の野に炎の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ      柿本人麻呂

 やり過ぎてデモ続くらし赤鬼の喉を乾したり民の反撃
          春過ぎて夏来るらし白栲の衣乾したり天の香久山      持統天皇

 トランプはノアにし座して白舟の板子の上で苛立てるかも
          大君は神にし座せば雨雲の雷の上に廬らせるかも      柿本人麻呂

 阿漕なる奈落の国はノイバラを冠して棘は今猛なり
          あおによし寧楽の京師は咲く花の薫ふがごとく今盛りなり  小野老

 あな醜く賢しらをすとサインする人をよく見ば金満トヒヒ
          あな醜く賢しらをすと酒飲まぬ人をよく見ば猿にかも似る  大伴旅人

「立春」のプレゼント

2017-02-06 | 遊び子は
 助っ人先にベビーがいる。師走の助っ人開始早々に生まれた男児だから申年。関係的には義理もないのだけれど、どうしても爺の立場になってしまうようで「申年の男児」へ自分なりの縁起物なのだ。

 プルトイは猿は猿でも「シルバーバック」で「強く優しく賢い群れのリーダー」に育つよう、持ち手はオニグルミを使い「質実剛健」を象徴させた。
 幾何回転体は二種類、これにはそれほどの意味合いを込めてはいないがアクションプルトイと共に乳児期の遊びには珍しい玩具だと思っている。まあ、爺我自讃の典型だろうとも喜んで遊んでくれれば「それでいいのだ…」。ハイ、バカボンパパのパクリでーす。

 お婆ちゃんに渡したのだが、ママさんが挨拶にきて「感動しました。ヒノキの香りも素敵です」と言われたものの「お主は感動しなくてもベビーに喜んで欲しい」なんてことは言えないが木の香りに気付いてくれたのは嬉しい。
 終業時、パパさんとベビーを見せに来てくれたがグッスリ午睡中、まだ生後7週程では首は座らない時期だし、玩具を追うようになるには暖かくなってからだニャー。

ハンマーの柄を交換

2017-02-05 | 今日は真面目に
 助っ人先で年下だけれど先輩になってしまうM君が使用しているハンマーの柄が心もと無い。いつものお節介で取り替える事にした。
 最初はヤマザクラで柄を作ってみたものの野ざらしの材だったから菌の侵入があり強度が不安。そこで古い鍬の柄をリサイクルしてみた。
 数十年は使用していた鍬の柄なので新品の様な肌にはならず枯れた感がしてくる。それでも菌の侵入したサクラ材よりは安心だろう。
 ハンマーではあるものの釘など金属を打たず、木製品の表面を打つだけだから柄の長さは短い。長いと打撃が強すぎるのだとか…。握りの部分には浅く刃を入れ滑り止めとした。

  古い柄と用材 ➡  旋盤加工 ➡  取り替えて完成
 
 握り部分を太くしたりしてデザイン性も遊びたかったのだが「太いと力が伝わりすぎる」と却下された。まあ、その通りではあるし、小生も「耳従う」世代になってしまった…。

**動悸の桜子

2017-02-04 | 今はうたかた
 学友の他界を知りて寂々と一期の人は蘇りける

 耳元で袋の音を聞き歩く我見て笑みし見染め初めは

 下校路で夜勤の我とすれ違う動悸高鳴るわれ田舎者

 父と住む娘であれば籠を持ちビーチサンダルぱたぱたと行く

 写真得て進学したき我なれど秘めて転居の我二十歳なり

 うつむいてすれ違う日々青春を訪ねし時に家すでに無く

陽射しが戻ってきた

2017-02-03 | 感じるままの回り道
 二月ともなれば泥水池の一部であるにせよ陽射しが戻る。日差しが戻ったところでメダカ一匹見出す事もできないのだけれど、薄氷とは言え氷結が消えるのを繰り返すのを見るようになると季節の巡りを実感する。

 そろそろ水路の補修や水際の手入れ等を行わねばならないしアズマネザサのひこばえ刈り払いもしたいのだけれど助っ人課業で予定が立ちにくいのが現状だ。玩具作りはひとまず横に置いといてオンリーワンの立ち位置に戻らねばならなくなった。

 小生が水見回りをしていると会友のY氏が日向にしゃがみ込んでいる。この時期は「可愛い、可愛い」なんて言いながら結構長い時間付き合っていらっしゃる。相手は「メジロのサンマ」でなく「きさらぎのメジロ」だ。自分の周りに半割ミカンを小枝に刺し置き、ついばみに来るメジロを、この時期だから、まあ、「日なが一日」と言って良いだろうが相手をしてもらっている。こんな小事も幸せ寒、いいえ、幸せ感の一つだろう。

                    こっちや      あっちも

価格が破壊するおチビちゃんの愉しみ

2017-02-02 | 何よりの楽しみ
 イベントに居候する当日、会場には8時前に到着した。荷を降ろすのに混雑する前にと早めたのだが閑散としていて、居候する団体は到着前だった。
 この日、会友と3人で手作り玩具を出品したものの会友二人の場所は人が集まり、小生の部分は閑散として終わった。結局、小生はからくり玩具で子ども相手に馬鹿を言ってお、し、ま、い。

 興味を持ち「可愛いい」とか「素敵」なんて言葉を発してくれるものの「高いのでしょうね」のつぶやきに代表されるように4桁の値段ではお客は出来ない。
 この傾向は今までのイベントで把握しており、3桁の価格でも500円を超えると格段に販売数が落ちる事は理解していた。それが「ン千円」では相手にもしてくれない。市販の同等品より出来が良くても価格が半値以下だとしても来場者の値踏みはもっと厳しい。
 これが玩具専門店なら納得してお買い上げなのだろうが「イベントでは安いはず」は新機軸にせよ品質にせよ全く形無しと言ってよい。

 値段を付けた小生でさえ「売れないだろう。アンテナショップだ」と思っていた通り惨敗だった。会友に「売る気が無いのだから…」と言われながらも横で眺めつつ、熱中して遊ぶおチビちゃんには持たせて帰す事で数は減った。
 銭金の問題でなく、おもちゃなどは「遊んでもらってなんぼ」の道具だから「安く買えた」でホクホクする側より遊び続けて親が困るくらいのおチビちゃんに遊んで貰えれば制作者も玩具も本望なのである。
 そう「値引きはしないがタダであげる事もある」のが今回の店主だったが、子育て世代では「ン千円」の出費は痛いし、爺ゝの気分にさせてしまうおチビちゃんは居るものだ、が実感。残ったプルトイは古巣へ引き渡して一件落着…。

    小生の出品

                   H氏の昆虫   Y氏の絵タコと笛

数輪しか無き寒さかな

2017-02-01 | 感じるままの回り道
 各地、早咲きの梅便りは終わり寒桜に話題が移っていくような今日この頃であるが、フイールド谷地の梅が開花し始めた。ヤナギの木立内にあるから葉がある頃は直射光を遮られ、落葉期には太陽高度が下がるから山の端で遮られ、ほとんど日光を浴びれない環境にある。

 木立内を歩けば梅園だったと思われる腐食した根株があるけれど、放任されヤナギに覆われるようになってから衰退していったのであろう。それでも林縁には3本ほど残り開花し、環境を思えば大きな果実を幾つか実らせる。黄色く色づき落下した頃に尋ね果実を齧るのがささやかな楽しみになっている。

 水見回りの途中で開花に気付き撮影した。この場所より日当りも良く刈り払いを続けている入り口の梅園は開花していない。品種の違いによるものと思われる。枯死した樹に代わり幼樹を数本定植してあるが、やはり生育は遅い。昨季は花を見せたが結実はしなかった。十分な果実を採れる日は来るのだろうか。