GITANESを線香代わりに。
それとは無関係に・・・。
「今度メシ行きましょうよ」などと
誘われた際に
「いやちょっとその日は法事があって・・・」
と返事して
「まだ日は言ってないでしょ!」
と言われる
という受け答えは私がいつもやる断り方
なのだが、昨日は正真正銘の
母の3回忌。
早いものでもう2年経った。
いつもは葬儀屋さんの小さい部屋を借りて
法事全般を執り行ってきたのだが
どうせごく少人数にしか知らせないので
今回から自宅でやることにした。
ともかくこれで会場費55000円は不要になる。
葬儀屋さんは一応親戚でもあるが、まあお許しください。
もともと私よりもひとつ年上の坊主に
いつも世話になっていたが、彼が早くに亡くなって
しまい、彼の父上が現役復帰し寺を運営していた。
それでもさすがにもう年齢的にキツイということに
なり、その孫--亡くなった坊主の甥にあたる人で二十歳そこそこ-
にバトンタッチされた。
若い坊主の読経はやはり声に瑞々しさや張りがある。
狭い部屋でそこまでの音量を出さなくても、と
思わないでもなかったが美声だったことは確かである。
ところでお祖父さんはお元気ですか?と
尋ねたら
「職場のOB会という名の宴会(?)に行きました」
と言う。88歳、羨ましいほど元気である。
ちなみにこのお祖父さん坊主は元警察官でもある。
そして私の父と警察で同期だった。
そもそもこの寺は私の祖父宅と隣接していた。
寺のある場所の裏手に引っ越してきたのが縁で
その後祖父は墓をこの寺に移した。
ついでに宗旨替えもした。浄土宗から真言宗に
移籍した訳だ。
強烈に頑固な割には、引っ越ししたからって宗旨替え
をしてしまうほどの柔軟さもあった祖父だから
その周囲の人も柔軟であったらしく、それは仏壇の
中身にも表れていた。
もともと浄土宗バージョンになっていた仏壇内から
浄土宗色を排除するのではなく、浄土宗の仏壇のなかに
真言宗をそのまま持ち込んだのである。
つまり、センターには大日如来(真言宗)がいて
近くに不動明王(真言宗)もいてその他それにちなんだ
仏具も並んでいるところに、法然さんや善導大師もいたり
とにかく何のコラボかはたまたFESか、オールスターか
特番かというような騒ぎになっている。
私はそのあたりに疎いので気にもしていなかったが
前出の葬儀屋社長がうちの仏壇を初めて見るなり
「オマエんところの仏壇は、こりゃあ何じゃい!
えらい賑やかやなあ!」と感嘆した。
「あり得へん並び方になってるぞ!なんでや?」
「ああ、祖父が宗旨替えしたとは聞いてますけど」
「ああ、そうか!まあ宗旨替えはいくらでもあるけど
両方同居してるなんて初めて見たぞ!」
と呆れながらびっくりしていたのを思い出す。
早逝した坊主がまだ元気だった頃、一度
「仏壇内がイレギュラー過ぎてびっくりしたと葬儀屋さん
に言われたが・・・」と話したところ
「別にいいじゃないですか。仏壇の中が賑やかで
不都合なんかないですよ。仏さんは仏さんです。」
という見解だった。
この坊主も柔軟だったようだ。
ちなみに、この柔軟な考えの持ち主の坊主(早逝したほうね)
は、私の祖父の書道の弟子だった。
私も破門されたとはいえ祖父の弟子だったから、兄弟子と言える。
オールスターの仏壇は私の自宅にはない。
長男である兄の家にある。そしてその兄はもう亡くなって
仏壇を見るはずの兄は見られる側に回ってしまった。
母の遺影と派手派手な坊主用の座布団、位牌を運んできての
法事だった。
さてところでこの位牌だが、実は父と母二人合わせての
位牌となっており、
長くなるのでやめよう。
後略
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