GITANESを吸っただけではオトナになれる訳ではない。
変人にはなることができる。
それとは無関係に・・・。
結局、大人とは枠であると思う。
いや、哲学的なことや観念めいたことを言うつもりは
あまりないのだが、「大人」というのは「枠」を持っていたり
理解しているものである。
(そういう枠を超えるか壊すかはまた別の問題である。)
例えば「どこまでが常識範囲であるか」「どこまでなら許されるか」
「どこに踏み込んではいけないのか」というような、目に見えない
枠を察知し理解して生きていけるのがいわゆる「大人」であるように思う。
いや、大した話ではない。
成田から関空に向かう飛行機で、となりに座った充分オトナが
スマホを取り出し、何やらゴソゴソし始めた。
音楽を聴くのかなあ と思っていたら、どうもゲームをやり始めたらしい。
いや、大人でもゲームはやるだろう。
私も無双シリーズでは熱くなるタイプでもある。
この隣人、かなり気合が入ってきた。
スマホをタテにしたりヨコにしたり、右へ持っていったり左へ振ってみたり
どんどん動きが活発化してきた。
そしてそのうち、私との境界線である肘掛けの上空を越境し始めた。
この、肘掛こそその場合は「オトナの枠」のはずなのに。
ついには端末を激しく動かし始めたので、彼の肘が私の腕にコツ・コツ
と当たるようになった。
もちろん全く痛くも何ともないのだが、それでも「枠」を超えてくるオトナ
というのは、どう扱ったらいいのかわからず、心中穏やかではなかった。
結局関空到着までに、この「オトナの枠を見極められない奴」は
私の腕に肘を8回当てた。
最後まで無反応を貫くことができたのだが、
まあ、「8回当てられた」なんて数えているこっちも
あんまりオトナではないんだが。
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