the other side of SmokyGitanesCafe
それとは無関係に・・・。
 





GITANESももちろん携行していた。
それとは無関係に・・・。

冬ではあるが晴天。
こういう日はあまり人がいないような場所までクルマで行って
ぼーっとしてみたい衝動に駆られる。
冬なのだが、日なたの車内はポカポカして
エンジンをとめてエアコンなしでも快適にいられるような天気は
素晴らしい。

昔よく行ったのがそこそこ大きい川の河原である。
河原と言っても、舗装こそされていなかったが整地はされているような
場所だった。

休日の昼前に出かける。
オフィスのすぐ近くに大きめの書店があり、そこに向かう。
30分ぐらいかけて2,3冊の本を選び買う。1冊に絞ってしまっては
万が一その本が期待外れの場合すべてが台無しになってしまうからである。

ハンバーガー屋でハンバーガーと飲み物をポテトを買う。
トイレに行っておく。

河原に向かう。
川面がキラキラに光っていて、何をするでもないのに気分が逸る。
ポツンポツンとクルマが止まっている。営業車も何台かある。
ダッシュボードに足をのせているのは、多分昼寝をしているんだろう。
クルマのボディに社名が書いてあるのに。
SNSもない時代だったからのんきなもんだ。

他のクルマから顔が判別できないぐらいの距離をとって停車。
ステーションワゴンの後部座席を前に倒し、荷台を広くする。

エンジンを停止させる。
遠くのクルマの音、鳥の声、鉄橋をたまに渡る電車の音しか聞こえなくなる。
風にのって、遠くのグラウンドから野球している声も届く。


胡坐をかいてハンバーガー。もちろん本を読みながら。
食事が終わると寝転がる。本を読む。たまに身を起こし川を眺めるが
別に面白い風景でもないからすぐにまた本を読み続ける。
ウトウトする。また本を読む。


日が傾いてきて暖房なしではいられなくなったり、暗くなって本を読めなくなる、
あるいはトイレに行きたくてどうしようもなくなった時に終了。
なぜかすぐに帰宅する気にならないから、どこかのトイレに立ち寄り
そのまま小ドライブ。別に楽しくはないが「何もしていない感」が心地よい。
大体その頃はマジックアワーに近いので、海岸付近をゆっくり走る。

そうやって休日を過ごすのが好きだった。

一回目の結婚生活を送っていたときだったか。もう時期は忘れてしまった。




今はその河原は立ち入り禁止になり、書店は閉じられ建物もなくなってしまった。





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