3学年だより№33(ベガルタ仙台3)
人が、自分の能力をどれくらい発揮できるかは、心の持ちようで決まる。
そして、来年の年俸をアップさせたいという自分自身への見返りよりも、あの人に元気をあげたい、笑顔を見たいという他人への思いの方が、より大きく自分の能力を発揮させるのだ。
少し前、フェイスブックに投稿されたある記事が話題になった。
一人の若い女性が、世界有数の金融会社J.P. モルガン社長に宛てた手紙という形のポストだ。
~ "A Reply From CEO of J.P. Morgan To A Pretty Girl Seeking A Rich Husband".. !
A young 'n pretty lady posted this on a popular forum:
Title: What Should I do to Marry A Rich Guy?
I'm going to be honest of what I'm going to say here. I'm 25 this year. I'm very pretty, …
(正直に、はっきりと聞きます。私、年収4千万円以上の男と結婚したいと思ってるんです。今25歳で、見た目は結構可愛いと思ってて、スタイルもいいと思うんだけど。
確かに、欲張りだと思うんですけど、ニューヨークの中間所得層の年収が8千万円くらいだし、大した事ないと思うんです。それで、このフォーラムに来てる人で年収4千万円以上の人っていますか? それとも、みんな結婚してるんですか?
質問は一つだけ: どうやったら金持ちの男と結婚できるか。 … ) ~
この質問に、J.P. モルガン社長が返答したのだ。
~ Dear Ms. Pretty,
I have read your post with great interest. Guess there are lots of girls out there who have similar questions like yours. Please allow me to analyse your situation as a professional investor. …
(若くて可愛い女性へ
興味深いメール読みました。実際、あなたのように考える人は少なくないと思います。
なので、一人の投資家として答えさせてください。
… ビジネスマンの視点としては、あなたと結婚するのは悪い選択と言えるだろう。
答えはシンプルだから、説明させてね。
少し詳細を加えながら説明すると、あなたは、"美しさ"と"お金"の交換しようとしてるってこと:Aさんが「美」をあげるかわりに、Bはそれにお金を払う。ということ。
すると、そこにヤバイ問題があるんだよね。
僕のお金は無くならないけど、君の美しさっていうのはいずれ消える。
しかも、僕の収入は年々増えるけど、君は、毎年綺麗になる事はない。
ビジネス的な説明を加えるとすると、
僕は魅力的な「資産」だけど、君の「資産の価値は低い」といえる。
実は、君は普通の資産ですらなくて、急速に変化する「消費する資産」ということ。
君の価値は10年で更に悪くなるからね。 ~
3学年だより№34(ベガルタ仙台4)
~ ウォールストリートには、トレード(交換)の時に「短期交換」ていうのがあるんだけど、
"君とのデート"にはその「短期売買」があるんだ。
もし、交換するモノの価値が将来的に下がると考えると、
その交換するモノは長期的に持ってるモノじゃなくて、というか君のいう「結婚」と考えてたら、少し言い方が悪くなってしまうけど、君は資産としては、売られるか"レンタル"した方が賢い選択だということ。
年収8千万円以上の誰でもいいっていうのは悪くないけど、
僕たちは君とは結婚しなくて、デートだけっていう事。
アドバイスするとしたら、金持ちと結婚する方法を探すっていうのは忘れて、自分自身で金持ちになって年収8千万円稼いだ方が、金持ちのおバカさんを探すよりもいいと思うよ。
こんな返事になったけど、少しでも助けになれば。
あ、あと、もし"レンタル"に興味あるんだったら、連絡してね。)
… Hope this reply helps. If you are interested in "leasing" services, do contact me. signed,J.P. MorganCEO ~
「あたし若くてカワイイから、高年収の人と結婚できるはずだ」という女性。
このお姉ちゃんの言葉は、「誰かのために」という思いでプレーするベガルタ仙台の選手とは真逆の方向性にあるように見える。
そして、そんな質問にへの、JPモルガン社長の答えがいかしている。
あなたがそういう価値観に立って質問するなら、こういう答えになるよ、それでもいいなら連絡してねとまとめるこの返答はクールすぎると思いませんか。
ネット上では「社長かっこいい!!」と、けっこう話題になったこの話だが、もちろん女性も社長も実在のその方ではなく、数年前からあるコピペらしい。
話題になる理由ははっきりしている。
若さとかわいさを武器に金持ちとつきあいたいと言うお姉ちゃんが、ばっさり斬られるからだ。
でもこの女性のことを我々は批判できるだろうか。
若くてかわいい見返りに何千万かの資産を手にしておかしくないという考え方を。
何かをしようとするとき、無意識に損得の勘定から判断しようとしていたなら、本質は同じではないかと思うのだ。
この人と親しくなったら(自分に)こういう利益があるんじゃないか。
この大学に入れたなら、こういう見返りがあるんじゃないか。
娑婆を生きていく以上、人はそういう計算から完全に自由になるわけにはいかない。
しかし、目に見える形での物質的な見返りを第一に考える人生には、何か寂しさも漂う。
強引にまとめるけど、「あの大学に行けばいい就職にありつけそうだ」と考える人よりも、「なんか先のことはよくわかんないが、とにかくあの大学で勉強してみたいんだ」と発想する人の方が、モチベーションを保てると思うのだ。