水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

最初の発問

2015年04月06日 | 国語のお勉強(漢文)

 

 1年生の授業が始まった。
 現代文、漢文ともに、同じネタを使った。
 現代文とは何を学ぶのかという説明をし、こんな問題を出す。

 現代文の時間。
 「評論」という言葉と、同じ構成でできている熟語は、次のうちどれでしょう。
  a日没 b流氷 c読書 d平均 e善悪
 aだと思う人? b? c? d? e?
 漢字は、その訓読みがわかると、意味がわかります。訓読みとは日本語としての意味のことなのです。
 「評」の訓読みは? 「論」は?
 知らないよね。実は両方とも「あげつらう」と読めるのです。
 では、答えは何でしょうか。そうですね、d「平均」と同じで、意味の似た漢字を重ねた熟語です。
 「あげつらう」とは問題点を指摘することです。
 つまり評論とは、現代の日本の問題点を指摘し、批判する文章のことなのです。

 漢文の時間。
 最初の単元名は「訓読に親しむ」とありますね。
 「訓読」てどういう意味でしょう。
 そこで問題です。「訓読」という言葉と、同じ構成でできている熟語は、次のうちどれでしょう。
  a日没 b流氷 c読書 d平均 e善悪
 aだと思う人? b? c? d? e?
 aと同じだとすると、「日が没する」という主語述語の関係だから、「訓が読む」っていうことになるけど、変だよね。
 cは「書物を読む」という目的語と動詞の関係だけど、「読」を「訓」するっておかしいよね。
 この中ではbが近いのです。
 修飾語、被修飾語の関係ですね。
 ただし「流れる氷」という連体修飾関係ではなく「訓で読む」というように連用修飾の関係です。
 lineで「既読」ていうでしょ。「既に読んだ」と同じですね。
 では「訓で読む」の「訓」とは何ですか。
 「山」を「サン」と読むのは、中国での発音をそのまままねした読み方で音読み。
 「山(サン)」て「やま」のことだから「やま」って読んでもよくない? と昔の人が勝手につくった読みが訓読みです。つまり訓=日本語としての意味なのです。
 「訓読」というのは、もともと中国語だった文を、日本語として読んでしまうことなのです。

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みこみ予ほう機(2)

2015年04月06日 | 学年だよりなど

 

  学年だより「みこみ予ほう機(2)」

 2015年4月6日現在のみなさんの心の中には、さまざまな不安があることだろう。
 勉強や部活動についていけるだろうかという目先のものや、目標の大学に進むことができるかどうかという三年後に対するそれであるかもしれない。
 または、将来どんな人生を過ごすことになるのかという漠然とした不安を抱く人もいるだろう。
 自分はどんな仕事につくのか、いつか彼女はできるのか、結婚して家庭をもつのか。
 「みこみ予ほう機」を目にしたら、つい聞いてしまうかもしれない。
 「自分は大丈夫ですか?」「見込みはありますか?」と。
 しかし、今必要なのは、自分の見込みをさぐることではない。


 ~ 「みこみはぜったいにそうなるということじゃないんだよ。
 いまのままのきみだったらってこと。
 なんでもちょっとうまくいかないとすぐになげだすようじゃ、
 ろくなことにならない。」
「じゃ、もしぼくがかわったら、未来もかわるの?」
「もちろん。
 思いきってぶつかってみることだ。
 はねかえされても、くじけずに」(藤子・F・不二雄大全集『ドラえもん8』小学館) ~


 今の自分がまったく未完成な状態であるという自覚はもっていることと思う。
 そんな自分が、いつか目標に近づけるかどうか、ひとかどの人間になれるかどうか、夢が叶うかどうか、その見込みがあるかどうかを決めるのは、自分だ。
 判定するのは「予ほう機」ではない。
 我々教員でないし、保護者の方でもない。友人や先輩でもないし、世間の人々でもない。
 答えを自分以外に求める人には「アッカンベー」が待っていて当然だ。
 みなさん自身が、川越東高校生としての自分をいかに充実させられるかに委ねられている。
「ほんとうは川越東には来たくなかった」と思っている人もいるかもしれない。
 しかし、来てしまった以上、ここでがんばるしかないではないか。
 A高校に行っていた場合とB高校に行っていた場合と、どちらが幸せになれるのかを検証することはできない。誰しも、同時に二つの人生を生き、どちらかよさそうな方を選択することはできないのだから。だとしたら、選んだ方の人生を、自分で幸せにすればいい。


 ~ 正しい選択肢を選ぶことは当然重要だが、それと同等以上に「選んだ選択肢を正しくする」ことが重要になってくる。 (南場智子『不格好経営』日本経済新聞社) ~


 ここに来て正解だったと思える三年間を自分で作っていこう。

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