学年だより「勉強の超基本システム(1)」
高校レベルの勉強ができるできないの差は、頭の良い悪いではなく、情報処理能力の差である。
情報を処理するための基本的な道具を用意し、技術を身につけることで、情報処理能力は身についていく。
「自分は理解が遅い」「能力が足りない」と口にする人はいるが、そのほとんどは、勉強のやり方を知らないだけか、純粋に勉強をしたことがない人だ。
つまり、情報を処理する仕方を身につけていないか、経験がないかということである。
この先勉強ができるようになるかどうかは、教室に行けばすぐにわかる。
チャイムとともに勉強の準備ができているかどうか、ノートが開いてあるかどうか、シャープペンを手にしているかどうか。その様子から予想を立てれば、まずはずれることはない。
では勉強ができるようになりたかったら、どうすればいいか。
一日数時間猛勉強することではないし、自分の頭を根本的によくしようとすることではない。
ハードとしての「脳」は変わらないのだ。しかし、そのスペックの何十分の一しか、われわれは使えていない。「脳」という奇跡的な所有物をありがたく使っていこうではないか。
1 ノート・教科書・副教材に日付を書く
何にでも日付を書く。たとえば数学の問題を解いたら、解いたページ、もしくは解いた問題番号の傍に日付を書く。英語のテキストを読んだ時は、読んだ日付を書いておく。
この記入によって、どこをやってあるのかやってないのか、どれくらい繰り返したか、または繰り返しが浅いのかをチェックができる。人間の記憶は、時間の流れで整理される。
2 「できたチェック」「できなかったチェック」をする
「できない」・「わからない」を、「わかる」・「できる」に変えていくのが勉強だから、どこが「できない」・「わからない」のかを明らかにするのが、勉強の第一歩である。
例題や練習問題を解いて、解けた問題には「できたチェック」をする。できなかった問題は「できなかったチェック」をする。そして「できなかったチェック」のついた問題の理解と練習に全力を投入する。
3 暗記は繰り返しあるのみ
人間の脳には、「短期記憶」のコーナーと「長期記憶」の棚とがある。
インプットされた情報は、いったん「短期記憶」のコーナーに置かれる。そこに置かれた情報に繰り返しアクセスしていると、脳がこの情報は大切なんだなと判断し、簡単にはなくならないように「長期記憶」の棚にしまわれる。
短期お預かりコーナーに置かれた情報は、一日以内に再アクセスがない場合、半分以上が消されてしまう。インプットした情報に、できるだけ短期間に繰り返しアクセスするのが暗記だ。