学年だより「続ける」
ずいぶん前に、野球評論家の江川卓氏が「3連敗しないチームをつくるのが大事」と言っていたのが記憶に残っている。
プロ野球の長いシーズンの間には、チームの好不調の波が必ずある。
打撃陣が好調で、同時に投手陣も開幕以前に想定していたより良い状態になる時期があるかと思えば、主力の何人もが怪我で戦列をはなれてしまうような事態も起こりうる。
調子の良いときに連勝できるチームをつくることはできる。
しかし、調子が悪くてもカード3連敗しないチームをつくるのはなかなか難しくて、最終的にシーズンを制するのはそういうチームである、という話だった。
野球シーズンよりももっと長い、高校3年間、大学4年間、人生数十年、という単位を生きることに、この考え方はよりあてはまるはずだ。
今一つ調子が出ない時期に、何連敗もしない状態の自分であること。
人間だから好不調の波は必ずある。
やることなすことうまくいく時期もあれば、何をやっても裏目に出る時期もあるかもしれない。
そんな時でも、やけをおこさずに地道な日常を積み重ねていけるかどうか。
高校生活は、そういう自分をつくるためにある。
勉強についていえば、どんなに不調の時期でも「勉強ゼロの日をつくらない」ことだ。
今のみんなは、通学は大変になっただろうが、まだ勉強や練習に追われている状態ではない。 部活が正式に決まり、毎日19時バスで帰宅するようになり、宿題がじわじわと増えてくるにつれて、入学当初の気持ちと今の自分の体とが乖離していく。
家に帰ったらへとへとで、「今日はあえて勉強しないで、体を休めて明日に備えよう!」というような理屈を思いつく日はきっとでてくる。
そして「土日にがっつりやろう」などと思いながら、日曜がくると「やっぱ日曜は身体を休めなきゃな」となっていくのだ。
30分でもいい。
必死で机に向かい、結果的に5分でおちてしまったとしても、ゼロよりは無限大によい。
もちろん、基本的には最低2時間の勉強時間は確保したい。森園先生がおっしゃっていたように、毎日3時間続けられる人は、医学部を除いて日本の大学ならどこにでも合格できる。
~ みんな毎日いろんなことを考えながら頑張ってると思うのですが、結局のところ上手くいってる人って「続けてる」というのが強みで、多少不器用であっても続けていれば何とかなるものなんですよね。 (木村達哉「キムタツブログ」2015年4月3日) ~
すでに勉強量の確保に目処が立っている人は、ぜひ頑張って今後もキープしていこう。
今の時点で、すでに何日間かの勉強ゼロ日をつくってしまった人は、今踏みとどまろう。
なんとしても、わずかであっても、家での勉強時間は必ず毎日確保しないといけない。