課題曲はⅡを演奏することにした。
参考演奏を聴き始めたころは、それほど心動かなかった。
他のに比べてスケールが小さくないかなとか、点数のびなさそうとか、自分の技量をさしおいて失礼な感想を抱いたからだ。なんと不遜で、しかも見方が小さかったのだろう。
実際に音を出してみると予想と違った。課題曲のもつ独特の高揚感にあふれている。
いろんな課題曲のつぎはぎに聞こえるという感想も耳にしたが、それを言い出したらマーチは全部は同じだ。
もっと大げさに言えば、純粋なオリジナルを生み出せる作曲家なんていないわけだし、かりにそんな曲が完成したとしても、それが課題曲になるわけがない。
曲を書くこともできないわれわれ吹奏楽顧問ふぜいが、楽曲に文句を言うなんて二兆年はやい。
あと、聞いてて、「この曲を延々と練習するのつらいな … 」というマイナス感がまったくわいてこなかった。
こうやって、ああやって、がんばればいい演奏にできるのではないか、というイメージが膨らむ曲だった。
ということで、「こうやって、ああやって」トレーニングのうち極めて重要な「曲を知る」段階に取り組んだ。
第一企画は洗足学園さんで毎年行われる課題曲クリニック。
自分はここ数年続けて参加しているが、みんなで行きましょうと三年生から提案があり、日曜日に出かけてきた。
「作曲者と語ろう」「指揮法」「合奏指導」のどの講座にいっても、教室は中高生でいっぱい。過去をふりかえっても、こんなにぎゅうぎゅう詰めだった記憶はないから、Ⅱは人気なのだ。
部員たちの多くは奏法指導の講座にも参加したはずだ。
今日は、和光国際さんとの合同練習で、この曲を一緒にさらってもらった。
午前中はパートで基礎練習と曲をさらい、午後は合奏。マーチを練習するポイントを、隣の女子のお手本つきで示してもらえて、本当にためになったのではないか。
部員たちにしてみれば、こんな合奏をできる和国の先生はすごい、それにくらべてうちの顧問は … という感想をいだくやも知れぬ。
でも、すごい先生と知り合いになって、いろんな企画に参加できるこの「友だち力」は評価してほしいなあ。
和光国際高校吹奏楽部のみなさん、本当にお世話になりました。