写真展で訪れた恵比寿。ここには随分昔に一度だけ仕事で来た記憶があるのでもう数十年ぶりの再訪だったので当然恵比寿ガーデンプレイスは今回初めて見た。その当時は古ぼけた街のイメージしかなかったが、すっかりお洒落な街に変貌を遂げていた。写真展の後に、プレイス内をブラブラ散策する。真っ先に向かったのは都内ではここでしか販売していない「びすとろらすく」をまず確保した後、その次に向かったのは「ヱビスビール記念館」だった。
いきなり大きなヱビス缶に出迎えられる。広々した記念館ではガイドさんと試飲が付く有料の「ヱビスツアー」があるが、時間が合わなかったので、無料でも入れるヱビスギャラリーをひとりで回る。ヱビスビールの誕生から今に至るまでを貴重な資料を眺めながら、時折遠くから聞こえる(先発隊の)ツアーガイドさんの声をBGMにしながら見学する。
発売当初は樽詰めでの販売だったが、それから「ビール瓶にコルク栓」→「ビール瓶に王冠」→そして缶へと器の進化と共に輸送の負担が軽減され、大量輸送が可能になった。ちなみに私はビール瓶で飲むビールが一番美味しいと思う。
【発売当時のビール瓶】
入場時に館内スタッフさんに写真撮影の確認をしたところ、「動画はご遠慮頂いておりますが、静止画はどうぞ」とのことだったので、バシバシと「乱れ撮り」する。
夏目漱石も好んで飲んでいたそうで、彼の作品「二百十日」でもヱビスビールが登場する。発売当時のビールは非常に高価だったそうだが、ビールが初体験だった人々にどの程度受け入れられたのだろうか?私が初めて飲んだ時の感想のように「なんじゃこりゃ~」「苦~い」と思わなかったのだろうか?その当時薬局で発売していたのも頷けるってもんだ。
そもそも1901年(明治34年)にこの場所に出荷専用の貨物駅として工場内に「恵比寿停留場」が作られ、1906年(明治39年)に近くに作られた旅客駅が「恵比寿駅」となり、渋谷区に存在する「恵比寿」の地名にも由来しているそうだ。ビールの名前が駅名や地名になるなんて深くて長~い歴史を感じる。
出入口に飾られていた金のヱビスに見送られて、記念館を後にした。やはり試飲しておけば良かったな~最初に飲むんじゃ無かったな~と後悔しつつ・・・