先日東京に雪が積もった。
豪雪地帯の大変さとは比較にならない程の積雪ではあったが、慣れない東京人にとっては積雪は気が重いものだ。
通勤途中で何度もスリップしそうになりながら、すでに雪かきが済んでいる家や店の前を選んで進む。雪かき済みの道に感謝しつつ、いつもより少し遅く事務所に到着し、今度は私の番だと早速雪かきを始める。凍りついた雪を砕きながら、少しずつ地面が見えてくる。あらかた地面を露出させると通行人が雪かきが済んだ「私の道」を歩いて行く。なんだか嬉しい光景で、さらに細かい雪を徹底的に綺麗にする。時折隣人たちと声を掛けながら、みんなで雪かきを続ける。
しばらくすると通りには「みんなの道」が長く続いていた。たまには雪かきもいいものだと思った。