映画「幕末太陽傳(1957年公開)」を観た。
【解説】「居残り佐平次」などの古典落語を基に、江戸の色町で繰り広げられる騒動を描いた1957年製作の喜劇映画の傑作。遊郭に居座った一文なしの佐平次の粋な生きざまと、遊女や出入りする客たちとのエピソードをつづっていく。『洲崎パラダイス 赤信号』などの川島雄三がメガホンを取り、佐平次役のフランキー堺が名コメディアンぶりを発揮するほか、石原裕次郎や小林旭など日活スターたちが共演。シニカルなユーモア、エネルギーあふれる登場人物など、痛快で爽快(そうかい)な川島演出の手腕が光る。
今年の正月に実家で兄から「観ろ」と手渡された日活創立100周年を記念してデジタル修復版が発売されたばかりの作品。東海道五十三次で日本橋から歩いて最初の宿場・品川宿の遊郭・相模屋で繰り広げられるドタバタ劇。ストーリーがとてもとっつきやすく、またどこかで聞いた事のある話ばかりだな~と思っていると、解説にあるように古典落語をベースにしたと観終えて知った。昔から私にとって「張本勲」に見えて仕方がなかったフランキー堺の扮する居残り佐平次のお調子者ぶりがとても良かった。いいぞフランキーまた女郎のこはるとおそめの妖艶さが素晴らしく、後でそれも南田洋子と左幸子だと知った。中でも女中おひさ役の芦川いづみはとても印象的だったな~そして最後は「お見立て」でエンディング。このお見立ては私の好きな古典のひとつなのだが、市村俊幸演じる杢兵隊衛大尽がまるで高座から飛び出して来たようで、とても驚いた。
兄ちゃん、なかなかいい映画でしたぜ。もう一本は後日視聴するからね。