政府の新型コロナ対策の基本的対処方針で明記されていた「飲食はなるべく少人数で黙食を基本とする」を、先月末の変更でこの記述が削除されたことを受け、文部科学省は給食の時の過ごし方などについて適切な対策を行えば会話は可能だとする通知を都道府県の教育委員会などに出した。
もちろんひとりで食事する時は必然的に黙食になるが、仲間がいれば会話もしたい。ひとり旅では当然黙食になるのだが、私はやたらスタッフさんに話し掛けてしまうように、会話がなく手持ち無沙汰でスマホ片手の黙食は実に味気ない。たまに家族が外出して夕飯をひとりで食べることがある。誰とも会話をせずにのんびりと静かに自由な時間を過ごすことは実に新鮮で楽しいのだが、ひと晩ですぐに飽きてしまう。誰とも会話をしない静かな時間も良いのだが、会話をしないと同級生のように声量が出なくなったり、会話自体が下手になるし、何よりも表情が乏しくなるような気がする。老害と呼ばれてしまう人たちの要因のひとつとして基本的な会話すら出来ない人があると思う。
たかが会話、されど会話であり、会話の持つ生きる力はとてつもなく大きいと思う。いつか来るであろう黙食ばかりになる日まで今から会話力をたくさん蓄えておこうと思う。