映画「メランコリック(2018年公開)」を観た。
【解説】深夜に殺人が行われる銭湯を舞台に、ひょんなことから人生が大きく動き出してしまう人々の人間模様を、サプライズ満載の変幻自在なストーリー展開で描いたサスペンスコメディ。名門大学を卒業後、アルバイトを転々とし、うだつの上がらない生活を送っていた和彦。ある日、偶然訪れた銭湯で高校時代の同級生・百合と再会した彼は、そこで一緒に働かせてもらうことに。やがて和彦は、その銭湯が閉店後の深夜に浴場を「人を殺す場所」として貸し出していることを知る。さらに、同僚の松本が殺し屋であることが明らかになり……。新人監督・田中征爾の長編デビュー作で、第31回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門で監督賞を受賞(武正晴監督の「銃」と同時受賞)。和彦役の皆川暢二、松本役の磯崎義知、田中監督による映画製作ユニット「One Goose」の映画製作第1弾作品。
東大卒って言われ続けることにも、犯罪に手を染めることにもそれほどメランコリック(憂鬱なさま)な感じがない主人公。銭湯の使い方は映画「湯を沸かすほどの熱い愛」のラストと重ねつつ、なかなか適所だなと変な感心をしてしまう。ココリコ田中似の主人公を始め、知らない役者さんたちのおかげでストーリーに集中でき、さらにごくごく自然な主人公の家庭がじわりと温かさを感じる。ただ主人公が待ち合わせ時間に10分遅れても何も言わないところに大学卒業後に定職に就かなかった理由を垣間見る。吉田芽吹演ずる可愛い彼女の別れ方がとてもいじらしくてせつない。その後の展開を細かくあれこれ考えてはいけない作品なのであろう。
ちなみに番台後ろのスーパーボールの大当たりがストーリー進行と共に無くなっている。誰かが当てたのね