今も時々思い出す印象深い話がある。
風呂無し・トイレ共同のクラッシックなアパートの申し込みでのこと。30歳前後の独身男性に口頭で「お仕事は?」と訊ねると「○○大学です」と答えた。「学生さんですか?」「いいえ」「大学の職員さんですか?」「いいえ、○○大学です」と会話のキャッチボールが上手く行かない。「今は○○大学で何をされているんですか?」に対して彼は「○○大学卒で今は▲▲でアルバイトをしています」とファーストフード店名を告げた。
彼にとってその大学に在籍したことが人生において一番輝いていたキャリアハイだったのではないか?と思うのだが、高卒の私からするとそれよりも大事なことは他に山ほどあるし、そんなことよりもまずはこの年齢で会話のキャッチボールすら出来ないと話にならないじゃない?と思ったことが、20年以上経過した今も鮮明に思い出される。
彼は今どこで何をしているのだろうか?最低限のキャッチボールが出来ていると良いのだが・・・