各自治体長のワクチン優先接種について非難と釈明と謝罪が続いている。
様々なコロナ対策の陣頭指揮をとる自治体長は医療従事者と同じくらい優先順位が高いと思うのだが、やたら住民に配慮するからややこしくなる。分科会の開催や各種会見の頻度を見る限り、各長たちや官僚・関係者たちは寝る間を惜しんで業務に当たってくれている。心から感謝しているが、どうも医療従事者のような感謝の気持ちが政治家には向けられておらず、接種の優先順位は下手するとかなり下位になりそうな風潮である。
某薬局チェーンの会長夫妻の優先接種の要望に対して市の行った配慮について「行政の公平性を欠くことになり大変申し訳ない」と謝罪しているが、同市内の一号店跡地には生活習慣病予防のための運動施設が建てられ市に無償で貸与しており、会長夫妻の貢献度に配慮したい気持ちも分かる。公平性は大切ではあるが、納税額や貢献度により優先することもあってもいいのではないかとも思う。
また重症化リスクを考慮して高齢者の優先接種は理解出来るが、事前予約のため電話がつながらず、役所に直接出向く人たちで混乱している。ネットを使えない高齢者たちのためにサポート体制が整えられているが、これにも多くの人員が割り当てられ労働時間の増加が伴う。ならば日時と場所を予め指定し、都合が悪い場合にのみ連絡する方法にすれば混乱は抑えられると思う。
昨年東京オリンピック開催時に混雑を避けるために導入を推奨していたテレワークがコロナにより「せざるを得ない」状況に変わり、一年も経たないうちにすっかり浸透したように今後非接触・非対面の追い風を受けて電子申請が加速し、マイナンバーカードや法人向け行政サービスが利用出るGビズIDは必須となる。「マイナンバーは不安」とか「ガラケーで十分」と考えている人は今後サポートしてくれる人を確保出来るような人付き合いとそのための対価をしっかりして準備しておく必要がある。政府や自治体へ文句や不満ばかり言う前にまず自分たちで出来ること、準備しなければいけないことをこの機会によく考えておきたいものである。
どちらにせよこのような緊急事態には下手な配慮と遠慮は業務推進の大きな妨げになる。