北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

エゾシロチョウの交尾48時間

2015-06-20 07:07:11 | エゾシロチョウ 
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エゾシロチョウの交尾48時間

処女状態で飛翔中のエゾシロチョウ♀が、寄り添ってきた♂と仲良くランデブーしながら、お互い心を許し合い、その後晴れて交尾にいたるといった感じのラブロマンスは一切無い。






エゾシロチョウの交尾は、発生樹木の上で、♀の羽化直後に待ちかまえていた♂により、あっと言う間に実に強引に行われる。交尾後の♂は急におとなしくなりもっぱら♀にぶらさがった形で♀とともに移動し、場所が定まればじっとして交尾状態を継続する。♀は交尾した♂をぶら下げながら、ゆっくり柔らかい羽根を伸ばし、時間をかけて乾かしてゆく。この間、交尾できなかった♂たちが絶え間なく割り込み交尾をねらうように飛来し、激しく羽根をばたつかせてせまるが、当然無駄なことである。なぜ♂たちは、このような不毛の交尾をせまる行動をえんえんと続けるのだろうか?。


今回、我が家の庭の赤ボケに発生したエゾシロ個体群では、2015年の5月下旬から6月上旬にかけて♀の羽化にあわせて連日交尾が行われた。交尾時間はさまざまだが、数時間におよぶものが多い。驚くべき観察結果として気温がグンと下がった時には実際飛び立つことが出来ない状態になるせいか、少なくとも48時間以上ものあいだ交尾していたペアも4組観察した。


このペアは交尾後、北見付近に寒気団がきて霜注意報がでるなど急激に気温が下がり、そのためか少なくとも48時間以上こうして交尾状態を継続した。

交尾後, 48時間後。


同様に48時間以上交尾を継続したペアたち。







例年、我が家の庭の赤ボケでは初冬の頃、エゾシロチョウの越冬巣がかなりみられるものの、今回のように多数のエゾシロチョウが発生したのは初めてで、とても興味深い一連の観察ができた。
今回、私にとっては【 おそらく多くの読者の方たちにとっても 】おもいがけない観察結果が続いた。




ジージ。 あのね。 交尾って何??。




 まだまだ。 エゾシロチョウエフェメラルのドラマは さらに続きます。


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