南米ペルー、アンデス高山帯で高山蝶を採集。その三。
20XX-1-1 (土) アンデス高山帯4300m。晴れたり曇ったり。
C.euxanthe ユウクサンテモンキチョウは鮮やかな黄色ないしオレンジ色に見え、C. mossi と同様に飛翔はとても速い。
これら二種のコリアスは飛翔がとても速く素早く、普通は採集はまったく困難だ。しかし、リャマの死体や糞にきているものは採集も撮影も容易であった。
10分ほどで日がかげるとたちまち蝶は消え、また日がさすとどこからともなく現れる。
少し登ってゆくとまた別のリャマの死体とその糞に多数の蝶がきている。飛んでいるものは速くて採れないが、群れてとまっている蝶の一網打尽採集は効率的だ。ヒマラヤのお花畑に群れる雨期のハードウィッキウスバ採集の快感を思い出した。
チチカカヒメシジミ近縁もしくはそのものと思われるちいさなシジミチョウたちは、リャマの死体のみならず私の腕や指先によく止まってストローを伸ばしていた。いかにも愛らしくかわいいシジミチョウだ。
雲が切れて日がさすチャンスの間、せっせと採集と撮影を繰り返し、結局 3-4 時間を過ごしてここを立ち去った。ほとんど走ったりすることがない採集だったせいか、高山病の徴候は起こらず、過去のヒマラヤでの高山病の経験が今回の採集の役にたったとおもう。
Tatochila sterodice macrodice Staudinger アンデスタカネシロチョウ
Phulia nymphula ssp. ? ニンフタカネシロチョウ
アンデスタカネコツバメ
アンデスタカネセセリ
高山性のシジミチョウ
遠くにみたことのない動物が歩いて行く。リャマでしょうか。
がんがんラテン音楽をかけながらハイラックスは猛スピードで山をくだり、やがてアンデス山脈を超えてアンデスアマゾンの領域に入った。街の灯りがだんだん増えてきて緊張感がとけてゆく。 今日の目的地 Satipo が近づき、なじみのレストランでは夕食としていつもの 特大炭焼きステーキが出てきたが高山帯での採集の疲れか食欲なく半分も食べられなかった。
サテイポへは真っ暗、真夜中になって着いた。実は Satipo では今晩は予定停電で真っ暗の印象がより強かったのだった。Ivan Callegari 氏 のゲストハウスのテラスで Ivan 一家やペルシー夫婦(妻は妊娠7か月)、ミゲル夫婦やアウグスツ一家、リマからきたコーヒー輸出業の超すごいボインおばさん、ベルギー人旅行者フィリップ氏でたいそうな酒盛りをしていた。ペルシーはべろんべろんに酔っぱらってしまい、ミゲルもひどく酔っぱらってペルシーをやたらとからかう。私も少し飲まされたが早めに酒盛りを退散、せっせと、今日の採集品の整理をした。灯りにおびただしい数のセミや蛾が飛来していた。セミ好きな人ならかなりうれしいと思う。
鏡を見てびっくり。私の顔と手は高山帯で強い日差しを浴びて急激な日焼けで真っ赤に腫れ上がっていた。
終わり。
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