利尻島のカラスアゲハ。
拙著 矢崎康幸・平本 東 (1981) : 利尻島の蝶類 、jezoensis V0L 8. pp. 1-46 によれば 利尻島からはこれまでに 59種類の蝶類が記録されています。
カラスアゲハ ( P. bianor dehaani C.et R.Felder ) については 島内各地に普通であり個体数も少なくない。普通は年1回の発生であるが年によっては2回のこともある。最も多くの個体が見られる時期は7月中旬から下旬である。食樹はヒロハノキハダである。とのいたって簡潔な記載があるのみで、もちろん個体変異の特徴などについては触れられていません。
今になって個体変異について考察して見てみますと、利尻産オスは他地域よりやや暗色調が強いような印象を受けます。
さて、この記載からは、はや43年もの年月が経過し、私はこの論文をまとめてからは、滅多に利尻島を訪れることは無くなりました。
現在でも利尻島は蝶愛好家の中ではとても人気のある採集地ですが、多くは小型で眼状紋が小さい特産のウラジャノメ( L. achine oniwakiensis ) と 小型のヒメウスバシロチョウ の2種を目的に訪れる方がほとんどのようです。
近年、極めて短期間の間に地球温暖化による気候変動が顕著で、多くの生物の分布に変化が目立ちます。ここオホーツクで気になるのはカラスアゲハが減少し、変わってミヤマカラスアゲハが増えてきていることです。
私の個人的な経験ではこの数年カラスアゲハを見ていません。
一方ミヤマカラスアゲハはとても多くて、よく目に付きます。
あたかもかって普通に見られていたカラフトヒョウモンが激減し、珍しかったホソバヒョウモンがとってかわって個体数を増やしていることとよく似ています。
そんなわけで 現在、利尻島のカラスアゲハがどのようになっているのかが、ちょっと気になります。
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