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ニューギニア島アルファック・トリバネチョウ採集記
~西パプア(旧:西イリアン)・トリバネ事情~
その五
中川忠則
2014年10月15日(アルファック・Maibri村)
今回、車の手配の関係からメンバー全員がロスチャイルド(O,rothschildi)のポイントに行くことは出来なかった。
このため、「ロスチャイルドチーム」(オプション)と「パラディシアチーム」に分かれることになり、筆者は、運転手と定年後海外採集に参加しているというM氏とともに、パラディシアのポイントを巡った。
しかし、トリバネチョウは、飼育ケージ周辺以外では極めて少なく、ただ一度、ゴライアスの雄が私のトラップめがけ急降下したものの、振り向きざまの一瞬で、網を振ることさえできなかった。
トリバネチョウは、雄雌ともに赤いトラップに飛来するが、雄は、花でないことがわかると瞬時に飛び去るので、躊躇なく網を振らなければならない。
トリバネチョウは派手な上、大きいのでゆったりと飛ぶものと思っていたが、雄は俊敏で周りの緑に完全に同化していること、雌もまた周囲の風景に溶け込み、近くに飛来するまで気づかないこともある。
動態視力に優れている村人や子ども達の叫び声で気付くことが多いので、彼らと仲良くすることも採集のコツである。
デリアスが飛来する林道。
この日は好天に恵まれ、絶好のトリバネ日和と思われたが、筆者は午前中を空しく過ごした。
結局のところ、最良のポイントはケージや広場の周りと理解して広場に戻ってきたのだ。
道理で、広場の周りには、食草のウマノスズクサが植栽されているので雌が訪れ、その雌に雄が誘われて飛来するのである。
ところがである。飼育ケージのポイントに戻ったM氏の気迫が違っていた。
氏は、なんと、飼育ケージ前のハイビスカスに訪れたパラディシアの雄をゲット。
さらにその後、同1頭を追加したのである。
もはや「ツキ」の全てを持って行かれた感であったが、氏は感動で声を震わせていた。
そう言えば、マノクワリ行き機内の最後尾、筆者の隣に座していたM氏は、サービスのコーヒーが足りず、からかうかのような素振のキャビンアテンダントから、いくつもの砂糖とミルクを貰って首をかしげていた。
後に笑みを浮かべてコーヒーを届けてくれたのであるが、どうやら、氏の「幸運」は「天空の女神(パラディシア?)」の賜としか思えなかった。
一方、「ロスチャイルドチーム」も惨敗、主な吸蜜源となっている花が全く咲いていないというのだ。
意外にもガイドも開花時期を承知していなかったようである。
ちなみに8月と12月がベストで多数飛来するという。
まさに、「M氏はパラダイス、メンバーはスティクス」と云ったところだ。
ロスチャイルドのポイントは、飼育ケージのある集落からさらに1時間30分先、これまで以上に悪路とのことであるが、良好なポイントらしく、吸水のミイロタイマイやデリアス多数を採集することができたとのことである。
また、この日は、一部のメンバーが参加する夜間採集(オプション)が行われ、甲虫や蛾類に成果があったと聞いている。
参加者の中で最年長のベテラン、道昆の山崎氏は、いつも子どもたちに囲まれていた。氏は菓子を振る舞い、子どもたちもまた、お礼にクロツヤムシや小さなクワガタムシを運んで来るのである。
そのうち、クモやムカデまで持って来るので大騒ぎになってしまった。
そんな、トリバネに全く執着のない山崎氏であったが、広場では、見事、完全品のチトヌスの雄をゲットしたのである。
ウツボカズラ。
この項 続く
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ニューギニア島アルファック・トリバネチョウ採集記
~西パプア(旧:西イリアン)・トリバネ事情~
その五
中川忠則
2014年10月15日(アルファック・Maibri村)
今回、車の手配の関係からメンバー全員がロスチャイルド(O,rothschildi)のポイントに行くことは出来なかった。
このため、「ロスチャイルドチーム」(オプション)と「パラディシアチーム」に分かれることになり、筆者は、運転手と定年後海外採集に参加しているというM氏とともに、パラディシアのポイントを巡った。
しかし、トリバネチョウは、飼育ケージ周辺以外では極めて少なく、ただ一度、ゴライアスの雄が私のトラップめがけ急降下したものの、振り向きざまの一瞬で、網を振ることさえできなかった。
トリバネチョウは、雄雌ともに赤いトラップに飛来するが、雄は、花でないことがわかると瞬時に飛び去るので、躊躇なく網を振らなければならない。
トリバネチョウは派手な上、大きいのでゆったりと飛ぶものと思っていたが、雄は俊敏で周りの緑に完全に同化していること、雌もまた周囲の風景に溶け込み、近くに飛来するまで気づかないこともある。
動態視力に優れている村人や子ども達の叫び声で気付くことが多いので、彼らと仲良くすることも採集のコツである。
デリアスが飛来する林道。
この日は好天に恵まれ、絶好のトリバネ日和と思われたが、筆者は午前中を空しく過ごした。
結局のところ、最良のポイントはケージや広場の周りと理解して広場に戻ってきたのだ。
道理で、広場の周りには、食草のウマノスズクサが植栽されているので雌が訪れ、その雌に雄が誘われて飛来するのである。
ところがである。飼育ケージのポイントに戻ったM氏の気迫が違っていた。
氏は、なんと、飼育ケージ前のハイビスカスに訪れたパラディシアの雄をゲット。
さらにその後、同1頭を追加したのである。
もはや「ツキ」の全てを持って行かれた感であったが、氏は感動で声を震わせていた。
そう言えば、マノクワリ行き機内の最後尾、筆者の隣に座していたM氏は、サービスのコーヒーが足りず、からかうかのような素振のキャビンアテンダントから、いくつもの砂糖とミルクを貰って首をかしげていた。
後に笑みを浮かべてコーヒーを届けてくれたのであるが、どうやら、氏の「幸運」は「天空の女神(パラディシア?)」の賜としか思えなかった。
一方、「ロスチャイルドチーム」も惨敗、主な吸蜜源となっている花が全く咲いていないというのだ。
意外にもガイドも開花時期を承知していなかったようである。
ちなみに8月と12月がベストで多数飛来するという。
まさに、「M氏はパラダイス、メンバーはスティクス」と云ったところだ。
ロスチャイルドのポイントは、飼育ケージのある集落からさらに1時間30分先、これまで以上に悪路とのことであるが、良好なポイントらしく、吸水のミイロタイマイやデリアス多数を採集することができたとのことである。
また、この日は、一部のメンバーが参加する夜間採集(オプション)が行われ、甲虫や蛾類に成果があったと聞いている。
参加者の中で最年長のベテラン、道昆の山崎氏は、いつも子どもたちに囲まれていた。氏は菓子を振る舞い、子どもたちもまた、お礼にクロツヤムシや小さなクワガタムシを運んで来るのである。
そのうち、クモやムカデまで持って来るので大騒ぎになってしまった。
そんな、トリバネに全く執着のない山崎氏であったが、広場では、見事、完全品のチトヌスの雄をゲットしたのである。
ウツボカズラ。
この項 続く
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