絶滅危惧種キタサンショウウオ、絶滅の危機。
北海道新聞によれば東京の業者(現段階では会社名は伏せられている)が釧路市が施行する指針に違反して絶滅危惧種キタサンショウウオ生息地に大規模太陽光発電所を建設中であることが広く知られることになった。
指針には罰則規定がないことから、おそらくこの業者は厚顔無恥もはなはだしく工事を完遂する可能性が強く感じられます。
こういった末期的事態が現実のものとなった背景にはキタサンショウウオに対する事業者や釧路市および一般の方々、およびマスコミなどの認知度が致命的に低いことがあると思います。
先般イトウ皆殺し大作戦としてブログに投稿されたイトウの国内最大繁殖地である猿払川・手塩川水系上流域などに59基もの巨大な風力発電用風車群を建造する恐ろしい事業計画は、道内各地のイトウを守る会や釣り人団体、関係する多くの市民団体からの抗議行動があり、おそらく計画は中止されるものと推定しています。
例えばの話だが、人気抜群のタンチョウヅル(丹頂鶴)営巣地のど真ん中に大規模太陽光発電所を作る計画が発覚したとすればマスコミ・行政・愛鳥家・一般の方々の対応はキタサンショウウオの場合とは比較にならないだろう。
なぜ、今キタサンショウウオの存続が貴重なのかを含めて、キタサンショウウオの認知度をあげる努力が必要と感じる一方で、絶滅危惧種一般に関して、それは毎度おなじみの、もろ刃の刃になる可能性も秘めています。
サンショウウオ愛好家は意外と多く、例えば最近のトウキョウサンショウウオの卵や幼生の密猟・密売事件などは耳目に新しい。
詳しい生態や生息地をマスコミが不用意に紹介すると、それは、時に思いがけない密猟地案内になることもある。
こういった場合は、それらの種の激減、絶滅の原因が一部の密猟者の仕業に都合よくすり替えられてしまい、開発などの環境破壊、気象環境変化などの、真の原因がうやむやにされてしまう場合があります。
何れにしても、今回、当該する東京の業者さんに、もし良心があるのなら、とにかく工事をいったん中止して専門家等の現地調査などの結果を待って、その後の対応をすべきと考えます。
釧路市も、本気で絶滅危惧種キタサンショウウオの存続が気がかりであるのなら、工事が進むのをひたすら傍観するだけではなく、ここのところは土下座してでも調査が終わるまでは工事を止めていただくぐらいの意気込み・積極性は示すべきと思います。
もうすぐ春になるとキタサンショウウオは産卵時期をむかえます。工事が産卵環境にどのような悲惨な影響を与えるかは想像にかたくありません。
新聞記事は、我が家で愛読している北海道新聞から引用させていただきました。
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