エゾスジグロチョウ夏型♂の大吸水集団、♀の交尾拒否.....と青い鳥。
2017-7-23 (日) 曇り 22度C
いつもの林道分岐の広場には100頭規模のエゾスジグロチョウ夏型♂の大吸水集団がいくつもみられた。
吸水集団を作っているのは全て♂で♀はみられない。
吸水集団と言ったものの本当に水分を求めて集まっているのか、なにかミネラルを求めて集まっているのかはわからない。
というのは、枯れ木などに集団で集まったり獣糞に集まったりすることも多いので必ずしも水分補給という目的ばかりではないのかも知れない。
ミヤマカラスアゲハ吸水集団では、まさに水を吸ってお尻からぴゅっぴゅと水を飛ばすポンピングがみられるがエゾスジグロチョウはじめシロチョウ科の集団ではポンピングは観察されない。
セセリチョウ科の吸水集団などでみられる吸いもどし行動もシロチョウ科ではみられない。
集団を作る目的もチョウの種類によっていろいろなのかも知れない。
エゾスジグロチョウの吸水集団はミヤマカラスアゲハの吸水集団と異なり、さほど敏感な様子はなく十分に接近して撮影することが可能でした。
それにしても今年はかなりの数のエゾスジグロチョウが羽化したようで実に壮観です。
せっせと撮影。
吸水集団とかなりはなれたところではヨツバヒヨドリの花に吸蜜中のエゾスジグロチョウ♂がみられました。エネルギー補給中といったところでしょうか。
さらに少し離れた木陰の葉の上にひっそりと止まっているエゾスジグロチョウの♀を発見しました。そーっと近づくと♂の接近と勘違いしたのか、ピッと尾端を持ち上げました。
これはシロチョウ科の♀が交尾拒否を表明している、いわば交尾拒否行動といわれているものです。
すなわち、このメスはすでに交尾済みということです。
かって猛烈ネットマンであった頃の私は稀種ばかりを熱心に追い求め、超普通種代表のエゾスジグロチョウ等にはほとんど興味がありませんでした。
しかし、このブログを始めるようになってからは、エゾスジグロチョウは多くの意味で謎だらけ、さらには生きているこのチョウの美しさにも目覚めてしまい、最高のターゲットになってしまいました。
幸いなことにはオホーツクでは本種と紛らわしいスジグロシロチョウはとても少なく、さらに紛らわしいヤマトスジグロチョウは分布しないことになっているので、これらの奥歯に物がはさまったようなやたらとあやふやな基準での肉眼的同定に苦慮する心配はありません。
少なくともオホーツクの山間部で見られるものの殆どはエゾスジグロチョウとみなしてもさしつかえない状況なのもうれしいところです。
私は日本のみならず世界中の辺境(フロンティア)を回ってひたすら珍しいチョウを艱難辛苦のすえ捕獲して標本を作製、それらをたくさん標本箱にならべては大満足、それを誇示したり、文献や書籍にまとめて発表したりして多くのチョウ収集家・愛好家たちの賞賛の声などをこのうえない快感として過ごしていたような気がします。
しかし、私は年をとり猛烈ネットマンは肉体的・精神的に無理となりました。
高度経済成長と引き替えに殆どの身近な自然環境を失ってしまった日本では、これまでのような採集一辺倒のチョウの趣味は成り立ちにくくなり、さらにかっての熱心なチョウ愛好家の多くは長年の不摂生のせいか、比較的早めの鬼籍に入ってしまいました。
世界の人口の爆発的増加で日本のみならず世界各地でも貴重な自然はことごとく消滅、かっての私の舞台であったフロンティアも、その多くは消えてしまいました。
こんな状況下で、青い鳥を求めて世界中を回り続けてみた結果、実は本当の青い鳥はもとから目の前にあった、今はわずかに残された日本の自然そのものなのだとつくづく感じ入る昨今です。
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2017-7-23 (日) 曇り 22度C
いつもの林道分岐の広場には100頭規模のエゾスジグロチョウ夏型♂の大吸水集団がいくつもみられた。
吸水集団を作っているのは全て♂で♀はみられない。
吸水集団と言ったものの本当に水分を求めて集まっているのか、なにかミネラルを求めて集まっているのかはわからない。
というのは、枯れ木などに集団で集まったり獣糞に集まったりすることも多いので必ずしも水分補給という目的ばかりではないのかも知れない。
ミヤマカラスアゲハ吸水集団では、まさに水を吸ってお尻からぴゅっぴゅと水を飛ばすポンピングがみられるがエゾスジグロチョウはじめシロチョウ科の集団ではポンピングは観察されない。
セセリチョウ科の吸水集団などでみられる吸いもどし行動もシロチョウ科ではみられない。
集団を作る目的もチョウの種類によっていろいろなのかも知れない。
エゾスジグロチョウの吸水集団はミヤマカラスアゲハの吸水集団と異なり、さほど敏感な様子はなく十分に接近して撮影することが可能でした。
それにしても今年はかなりの数のエゾスジグロチョウが羽化したようで実に壮観です。
せっせと撮影。
吸水集団とかなりはなれたところではヨツバヒヨドリの花に吸蜜中のエゾスジグロチョウ♂がみられました。エネルギー補給中といったところでしょうか。
さらに少し離れた木陰の葉の上にひっそりと止まっているエゾスジグロチョウの♀を発見しました。そーっと近づくと♂の接近と勘違いしたのか、ピッと尾端を持ち上げました。
これはシロチョウ科の♀が交尾拒否を表明している、いわば交尾拒否行動といわれているものです。
すなわち、このメスはすでに交尾済みということです。
かって猛烈ネットマンであった頃の私は稀種ばかりを熱心に追い求め、超普通種代表のエゾスジグロチョウ等にはほとんど興味がありませんでした。
しかし、このブログを始めるようになってからは、エゾスジグロチョウは多くの意味で謎だらけ、さらには生きているこのチョウの美しさにも目覚めてしまい、最高のターゲットになってしまいました。
幸いなことにはオホーツクでは本種と紛らわしいスジグロシロチョウはとても少なく、さらに紛らわしいヤマトスジグロチョウは分布しないことになっているので、これらの奥歯に物がはさまったようなやたらとあやふやな基準での肉眼的同定に苦慮する心配はありません。
少なくともオホーツクの山間部で見られるものの殆どはエゾスジグロチョウとみなしてもさしつかえない状況なのもうれしいところです。
私は日本のみならず世界中の辺境(フロンティア)を回ってひたすら珍しいチョウを艱難辛苦のすえ捕獲して標本を作製、それらをたくさん標本箱にならべては大満足、それを誇示したり、文献や書籍にまとめて発表したりして多くのチョウ収集家・愛好家たちの賞賛の声などをこのうえない快感として過ごしていたような気がします。
しかし、私は年をとり猛烈ネットマンは肉体的・精神的に無理となりました。
高度経済成長と引き替えに殆どの身近な自然環境を失ってしまった日本では、これまでのような採集一辺倒のチョウの趣味は成り立ちにくくなり、さらにかっての熱心なチョウ愛好家の多くは長年の不摂生のせいか、比較的早めの鬼籍に入ってしまいました。
世界の人口の爆発的増加で日本のみならず世界各地でも貴重な自然はことごとく消滅、かっての私の舞台であったフロンティアも、その多くは消えてしまいました。
こんな状況下で、青い鳥を求めて世界中を回り続けてみた結果、実は本当の青い鳥はもとから目の前にあった、今はわずかに残された日本の自然そのものなのだとつくづく感じ入る昨今です。
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